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故障の少ない空調機とは

故障しにくい空調機の特徴を解説します。

故障の少ない空調機とは

故障しない空調機は有りません。機械で有る以上、長持ちはしても、何時かは故障します。
但し、10年も故障しない空調機も有れば、1年に2回も修理している空調機が有ります。

メンテナンスフリーの空調機はどこにも有りませんが、メンテナンスフリーに近い空調機は存在します。何故メンテナンスフリーに出来ないかと言うと、吸込口にエアーフィルタが有るからで、これだけは定期的に清掃しないと、目詰まりを起こします。
これもロールフィルタにすれば、長期間メンテは不要ですが、高額ですし、いずれ交換は必要で、交換には手間がかかりますから、この方法もメンテナンスフリーとは言えません。

屋外に設置する冷凍機も同様で、草の有る様な場所に設置しますと、枯葉、虫の死骸等で、冷凍機の裏側のラジエターの様な放熱器(コンデンサ)が目詰まりを起こして放熱が出来なくなり、数年後の初夏になるとトラブルを起こす例が良く有ります。
屋外に設置する冷凍機は、設置場所等、周囲の状況に寄り、定期的な清掃が必要ですが、屋上に設置した場合等では、10年以上もトラブルが発生しない例も有ります

恒温恒湿室で、1番トラブルが多いのは、加湿器になります。水を沸かして加湿しますと、水中に有るミネラル分(カルシウム、マグネシウム等)は、蒸発しないので、加湿器の中に残ります。これは、スケールと呼んでいますが、かなり硬くヒーターの周囲に固着します。
スケールがヒーターに固着すると、水との熱交換を阻害しますから、温度ヒューズが溶断するトラブルが発生します。
また、熱交換率を上げる為に加湿器のヒーターは、ステンレスでは無く、銅パイプにメッキしただけのヒーターですから高熱には弱く、固着してヒーターの表面温度が上昇すると、ヒーターにピンホールが開いて、漏電事故を起こす事例も有ります。

加湿器を使用している空調機では、絶対に定期的な加湿器のオーバーホールが必要です。
このスケールを定期的に取り除かないと、いずれ、必ず加湿器は故障します。
定時排水等の機能で、スケールを防止しようとしている加湿器も有りますが、これは完全な故障防止対策では無く、故障するまでの時間を長くするだけの効果で、メンテナンスフリーにはなりません。

加湿器は、言い換えれば、ただの湯沸かし器です。構造は簡単ですが、メーカーに定期点検を依頼すれば、交通費、出張宿泊費、技術料、部品代がかかりますから、後から高額な請求書が来て、驚く事になります。
加湿器の故障が多発すると、年間の保守費が高額になります。これをメーカーに相談すると、純水器の取付を薦められます。
純水器を取付けすると、加湿器の故障は減少しますが、蒸発出来ないスケールは、今度は、純水器の中に溜まります。
純水器には処理できる量が有り、短期間でイオン交換樹脂が飽和しますから、定期的に純水器の中の樹脂交換が必要になります。これにも高額な費用がかかります。
蒸発しないミネラル分は、加湿器の中に貯まるか、純水器の中に貯まるかの差であって、いずれも高額な保守費用がかかります。これは解決策ではありません。

加湿器を使用するタイプの空調機は、価格の安いパッケージエアコンを利用する方式ががほとんどです。この場合、消費電力がとても大きな装置が多く有ります。高額な電気料金と、加湿器の保守費の高さに驚かれて、恒温恒湿室を導入したのは良いが、加湿器の使用をあきらめて、恒温恒湿室を、ただの恒温室として使用されているお客様は良くおられます。

パッケージエアコンを使用して、加湿器と組み合わせて恒温恒湿室とした空調機の詳細は、各種技術資料の、パッケージエアコンを使用した恒温恒湿室で、詳しく説明しております。

また、多発する加湿器のトラブルについては、加湿器のトラブルと純水器の項目で、同様に詳しく説明しております。

トラブルの多い加湿器を使用しないで、恒温恒湿室が作れないのかと思われると思います。
実は、加湿器を使用しない恒温恒湿室が有ります。正確に言うと、加湿器が無いのでは無く、冷水で加湿しているのです。ヒーターで水を沸騰させないので、加湿ヒーターが無く、冷水は、置換すれば、水槽内のミネラル濃度は一定に保たれるので、故障しなくなります。
沸騰させないので、何処にもスケールが固着しません。井戸水で運転する事も可能です。

弊社では、この空調機を長い間研究しており、精度が高く、消費電力が少なく、故障しないDPC方式として、各方面に納入させていただいております。
納入後、10年間の無故障記録は良く有り、最長は、21年間の無故障記録が2台有ります。
DPC方式は、恒温恒湿室の項目の中で、詳細に説明しておりますので、ご参照下さい。

DPC方式と類似した方式で、他社からは、露点散水方式が発売されておりますが、精度、省エネ性能、メンテナンス性、故障の少なさは、全く別の空調機です。
露点散水方式は、冷凍機をON-OFFしておりますので、精度が高く出来ず、精度を上げる為に、頻繁にON-OFFさせると、マグネットスイッチの接点が数年で損傷して、単相運転になる事故が発生します。また、頻繁にON-OFFさせると、冷凍機も長持ちしません。
この方式は、技術資料の 露点散水方式とは の項目で、弊社DPCとの性能差を詳細に説明しております。

DPC方式は、水で冷気除湿、加湿している関係で、恒温恒湿室専用の空調機です。夏季は、多湿になった空気中の水分だけで運転しますから、基本的には水道水も消費しません。
冬季は、必要なだけしか加湿しないので、基本的にはドレンも発生しません。DPC方式は、消費電力が少無いだけでなく、自動置換の洗浄時以外では、水道水も無駄に消費しません。
但し、DPC方式で低温低湿運転を行おうとすると、水が凍結してしまうので、残念ながら低温低湿運転は出来ません。

弊社では、温湿度範囲の広い試験室は、環境試験室と呼んでおりますが、この制御には、弊社独自開発のCSC方式を採用しております。

CSC方式は加湿器を使用しますが、加湿器は、はっきり言ってトラブルメーカーです。
弊社では、長年、色々な方法を試してきましたが、この結論として、余裕の有る加湿器を2台使用して、これを運転中に交互に洗浄して、出来るだけ長持ちさせる方法を取っております。故障率はかなり減少しますが、故障を完全に防止する事は出来ておりません。

但し、加湿器には余裕を持たせておますので、加湿器が1台故障しても、残る1台でも、除湿量を抑えて、温湿度を乱さずに、問題無く運転が継続できる様にしております。
加湿器の故障を皆無には出来ませんので、加湿器の価格はできるだけお安くして、交換は、簡単に、どなたでも出来る様に工夫しております。
故障して取り外した加湿器は、オーバーホールすれば再利用が可能ですから、これも経費の節減になります。

また、トラブルの出やすい加湿器の在庫は常に持っており、連絡をいただければ、即日発送が可能です。翌日には到着して、ご担当者が直ぐにご自分で交換してしまった例も有ります。
女性の御担当が、弊社の電話指示を受けながら、ご自身で交換された実例も有ります。
他社製品の様に、実験を停止したままで、修理迄、何日も待たされる事は有りません。
自社で交換が出来れば、部品代と送料だけで、出張交通費、技術料等の請求は有りません。
しかも、片方の加湿器の故障中も、温湿度は乱れませんので、そのまま実験は継続できます。加湿器の交換は、+ドライバーとモンキーレンチだけで、短時間で交換できますから、大変喜ばれております。この様な機能は、弊社の空調機だけが持つ特徴です。

CSC方式と、加湿器の詳細も、恒温恒湿室のCSC方式の項目の中で、詳しく説明しておりますので、ご参照下さい。

 
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