
漏水対策
空調機における漏水の発生原因と
対策例をご紹介します。
漏水対策
漏水の発生
恒温恒湿室や環境試験室では、冷凍機や加湿器を使用します。必ずドレンが発生しますから、空調機の周囲には排水口が必要です。排水配管が細くて長い場合は、長い間に詰まりが発生して、床に漏水する事があります。
ドレン排水は落差が少ないので、排水には圧力がありませんから、排水口が遠いと、流速が遅くなって、曲がり角等に詰まりが発生し易くなります。
試験室の設置場所がテナントビルの場合は、漏水して階下に流れると、大きな損害賠償問題に発展しますから、特に自社ビルでない場合は、万全の漏水対策をする必要が有ります。
床に排水口が無い場合は、ドレンアップポンプを使用して、高い場所や、遠くに排水する事も可能ですが、過去に、ドレンアップポンプのトラブルによる漏水事故は、数件発生しております。ドレンポンプは故障の多い部品で、ドレン配管には藻や苔が発生し易いので、これがポンプ内のフロートスイッチの動作を妨げ、警報が出ないで漏水してしまう物です。
新設の建物に設置するご計画であれば、事前に、空調機の付近の床に、できるだけ40A程度の排水口を設ける様にしてください。
また、試験室の上に空調機を設置した場合は、漏水すると室内に水が落ちるので、何千万の被害が出たと言うお話を聞いた事が有ります。弊社では、天井置きの空調機は、トラブルが多く、メンテナンス性が悪いので、基本的にお断りしております。他社の修理を依頼される事は良く有り、この様な装置は、修理にも大変手間がかかり、苦労させられられております。
スペースの問題で、天井上に空調機を設置するご希望は良く有ります。新設するのは簡単ですが、設置した後の修理では、どちら様でも、大きな問題になっておりますので、避けられた方が無難です。
弊社の空調機は、いずれも定時的に内部洗浄する為に、数ℓの水が流れ出ます。空調機のドレン配管を、階下のエアコンの排水管に接続されてしまった例が有り、空調機の洗浄排水の時に、階下のエアコンから大量に水漏れした事が有ります。
空調機の排水は、専用としてください。
エアコンの排水は、ポタポタ流れ出る程度の排水量しか考えられておりませんので、ここに空調機の洗浄排水を接続すると、天井から漏水します。
実際の漏水対策例
空調機内部の水槽のボールタップや、加湿器には、水道管が接続されています。パッキングに異物が挟まる等のトラブルが発生すれば、給水は止まらなくなります。排水する速度より、給水速度の方が上回れば、必ず水はドレンパンから溢れ出します。
長い間には、この様なトラブルが発生する可能性が有る事は、想定しておく必要が有ります。
一番確実な方法は、空調機の内部の底にはドレンパンが有りますから、この中の水位が上昇した事を検出して、給水弁を閉じ、空調機の運転を止めれば、空調機の外部への漏水は完全に防止できます。
また、空調機の周囲に漏水検知帯を回して、漏水検知器に接続して、空調機周りで漏水が検知されたら、給水弁を閉じ、空調機の運転を停止すると二重安全になります。
実際に、漏水事故が発生してから、この様な対策をした例が数件有ります。漏水は、色々な原因が有り、定期点検されていても、事前に予想する事は難しく、完全に防止する事は出来ていません。漏水が発生すると、場合によっては、大きな損害賠償問題になります。
漏水検知器は意外に高額ですが、漏水検知リレーはお安いので、最初から制御盤に組み込む場合は、低価格で漏電警報が設置が出来ます。
漏水により、大きな問題や損害が発生する可能性が有る場合は、あらかじめ漏水検知警報と給水の遮断をご指定下さい。制御盤内に組み込みができます。

5ch 漏水検知警報機

ドレンパン内水位検出器

漏水検知帯の設置例
排水口の周囲迄設置