
安全対策と安全装置
弊社が設備に組み込んでいる
安全対策をご紹介します。
安全対策と安全装置
弊社の恒温恒湿室、環境試験室には、下記の様な安全対策が組み込まれております。
温度の過上昇防止
-
室内温度が設定値より+3℃上昇した場合や、室温を大幅に下げる場合は、温度調節計の警報接点を利用して、加熱ヒーターを強制的に、機械的な接点で遮断します。近接雷等で、半導体電力調節器が短絡しても、確実にヒーターを停止させています。
(温度を下げる時、温度が過上昇した時だけのヒーター遮断ですから、警報は出ません。)
同時に送風機が最大風量に切り替わり、室温を急速に移行する様に働きます。
室温が 設定付近に下降すれば、風量と加熱ヒーターはそのまま元に復帰します。 -
加熱ヒーターは、ステンレス製のヒーターBOXの中に有り、周囲に可燃物は有りません。
また、空調機の本体は、不燃のパネルの中に収納されております。
ヒーターBOXの中には、安全装置のサーモスタットの検温部が有り、BOX の内部温度が設定した温度を超えると、サーモスタットが働き、警報を出して、非常停止させます。安全装置のサーモスタット本体は、空調機か、制御盤の側面に取付けされており、左の様なダイアルが付いております。
運転最高温度に合わせて、設定温度を変更する事が出来ます。
サーモスタットの検温部はヒーターBOXの中の、ヒーターの真上にありますから検出は早く、通常サーモスタットの設定温度は仕様の最高運転温度の +40℃ 付近に設定しております。一般的な、恒温恒湿室では、運転温度は、+20~23℃ですから、+60℃付近に設定しております。低く設定する程安全ですが、あまり低く設定すると夏季に運転が開始できなくなる場合があります。
このサーモスタットが働いた場合は、温度が自然低下しても、運転は復帰しません。
液膨張式の機械的なサーモスタットですが、液漏れ等の経年変化で、過去に数例ですが、動作点がずれた事が有ります。動作点は低い方にずれるので、安全な方向です。 -
加熱ヒーターの取付板には温度ヒューズが取付けされております。
何らかの理由で、安全装置が働かなかった場合等で、ヒーター取付部分の温度が121℃以上になると、温度ヒューズが溶断して、安全装置と同様に非常停止致します。
温度ヒューズが溶断した場合は、空気調和機の点検パネルを外して交換する必要がありますが、安全装置の方が先に働きますので、過去に温度ヒューズが溶断した事例は有りません。
-
送風機の電源が切られたり、送風機が故障して異常電流が流れたり、インバータが故障すると送風が停止してヒーターが過熱しますので、この場合も同様に非常停止します。
非常停止は、半導体制御のヒーターを機械的な接点で切り離します。近接落雷等の影響で、電力制御の半導体が短絡しても、確実にヒーター回路を遮断します。
ヒーターが遮断されると、90秒の送風機残留運転を行ってから、完全に停止します。非常停止すると、制御盤面の異常表示灯が点滅して、ブザーが鳴動します。異常が発生している間は、再運転できません。異常を解除してからの再運転になります。
制御盤内のシーケンサには、異常発生の原因と、発生した回数が記憶されますから、後日でも、以上の発生状況を確認する事が出来ます。
過冷却防止
室内温度が設定より3℃低くなった場合と、大幅に温度を上昇させる場合は、冷凍機を強制停止させていまます。(警報は出ません。)
同時に送風機が最大風量で運転し、室温を急速に設定値に近づけます。
室温が設定付近に到達すると、風量を落として、冷凍機が再起動します。
多湿防止
加湿器を使用するタイプでは、室内の湿度が設定より20~30%高くなると、加湿器を強制停止させています。(多湿発生の場合は、警報は出ません。)
水で加湿するDPC方式では、循環ポンプを停止させております。
加湿器保護
加湿器は、ステンレスのBOXの中に収納されております。周囲に可燃物は有りません。加湿器本体の中には水位を検出するスイッチが有り、断水すると、加湿を停止させます。
また、加湿ヒーターの上部には、152℃の温度ヒューズが組込まれており、水位の低下や、スケール蓄積でヒーターの表面温度が上昇すると、温度ヒューズが溶断して停止します。
弊社の環境試験室の空調機には、加湿器が2台組込まれており、運転中に湿度を乱さずに、交互に洗浄しております。また、加湿器1台が故障しても、残りの1台で運転が継続出来て、そのまま湿度条件が得られます。これは、弊社の装置だけの機能です。
漏電対策
弊社の制御盤の標準では、主電源に漏電ブレーカを、分岐回路にノーヒューズブレーカを採用しております。御指定により、主電源をノーヒューズブレーカで、各分岐回路を全て漏電ブレーカにしている例も有ります。
通常は、漏電遮断しても、外部に警報は出ません。これも御指定により、漏電遮断警報を出す事が出来ます。
外部警報
警報ブザーと異常表示灯は、制御盤に標準装備されています。発生した異常の原因と、発生回数は、シーケンサの内部に記憶されますので、後日でも確認する事が出来ます。
騒音の多い工場ですと、制御盤の警報では気づきにくいので、お部屋の天井に警報ブザー付のパトライトや、運転状態の表示灯を設置している例も有ります。
これらは、お客様のご希望により対応しております。

警報付きパトライトの例

運転状態表示灯の例
また、異常信号を遠方の監視盤に送る為等に利用出来る警報接点を、1回路標準で装備しております。試験室内の電源とインターロック等にも利用できます。
常時人の居ない場所に試験室を設置した場合は、信号を移送して、人の居る場所で警報を出している例も有ります。
但し、これは、壁貫通、距離により工程が変わりますので、別途の追加工事になります。
入室者保護

過酷な試験室では、一人で入室している時に、身体に異常が起きて倒れると、大変な問題になりますから、入室中は、扉の上に、使用中の表示灯を点灯させている例も有ります。
試験室は閉鎖された空間ですから、室内に非常発生を知らせる押釦を設置している例も有ります。これらは、お客様のご希望で設置しております。
過去には、出入口の扉が開かなくなる故障も有り、低温室から出られなくなった事故も有りましたが、現在は、下の扉の写真に有る2ヶ所の丸い部分を回すと、外側の扉の締付金具が、室内側から外せる構造になっており、閉じ込められる事故は有りません。
また、出入口が1ヶ所ですと、設置場所によっては、火災等が発生すると逃げられない場合が有ります。この為に、扉を2カ所にしたり、非常脱出口を設置する例も有ります。

防熱の親子扉の例

非常脱出方法の説明

非常脱出口の例
漏水対策
冷却除湿を行ったり、加湿器を使用する試験室では、排水管が詰まると漏水が発生します。
テナントのビル等で漏水が発生すると、階下に流れて、大問題になります。 漏水対策については、別に、漏水対策のページで詳しく説明しておりますので、こちらのページをご参照下さい。