
停電発生時の動作
停電に関する動作は、
お客様によって、色々な考え方があります。
停電発生時の動作
停電発生時に、機械装置の運転をどうするかについては、二通りの考え方が有ります。
1つは、人が巻き込まれるなど、危険を伴う機械装置では、200Vの動力が停電したのに、100Vの照明が点灯していたら、停止状態と勘違いする可能性が有ります。
知らずに人が機械に近寄った時に、停電が復帰して急に機械が動き出したら、危ないので、停電で停止したら、停止させたままにしておき、周囲の安全を確認してから、再運転を行うと言う考え方です。
この様な装置では、運転スイッチは押釦で、赤色の例が多く、運転表示灯も赤色です。
瞬時に停止できる様に、キノコ型の非常停止スイッチが取付されている事も有ります。
停止は、緑色の押釦で行います。工場などの大型の機械はこの方法が多く、停電が発生すると停止したままになり、停電が復帰しても、運転は再開されません。
制御盤に緑色の表示灯が点灯していれば、停止中を示しており、異常が発生して停止している時は、アンバー(橙色)の表示灯を点灯させています。
一方、家庭用品等では、危険が無いように設計されており、停電が発生すると停止しますが、停電復帰すれば、そのまま運転を再開する様にした例が多くなっています。
但し、ガスを燃焼させる物では、危険防止の為に、停電復帰させませんので、停電復帰後に、もう一度運転スイッチを押す方法になります。
この様な製品では、運転表示灯は緑色が多く、停止表示灯は有りません。また、異常発生時は、赤色の表示灯を点灯させています。
この場合の運転スイッチは、押す度にON-OFFを繰り返すオルタネート式の押釦か、右に回すとONで、左に回すとOFFになるセレクタスイッチが使用されます。
恒温恒湿室や環境試験室等は、特に危険な事は有りませんし、低温実験室等では、停電自動復帰にしないと、室内の温湿度が上昇したままになりますから、一般的に停電自動復帰です。
弊社の試験室は、ご指定が無ければ、停電自動復帰です。
異常発生時には、赤色表示灯を点滅させ、警報停止すると、連続点灯に替わります。
異常発生の原因と、発生回数は記憶され、後でも確認できますが、運転途中で発生した停電は記憶されません。
工場等では、停電が復帰すると、停電自動復帰の装置は、一斉に起動しますから、この時にモーター等では、大きな突入電流が流れて、電源電圧が非常に不安定になります。
この時のノイズ等の影響を少なくする為に、弊社の装置は、停電復帰後は、5秒間待ってから、自動復帰させております。
この為に、ごく短い瞬間停電が有ると、5秒間だけ運転が停止する事が有ります。
停電に関する問題は、お客様によって、色々な考え方が有ります。大きな工場勤務の方からは、停電自動復帰させるだとか、運転表示灯が緑色だなんて、お宅は何を考えているんだと、お叱りを受ける事も有ります。
この様な工場では、キノコ型の非常停止スイッチを取付けしている例も有ります。
大事な実験中に、キノコに何かが触れてしまい、運転が停止してしまった事例も有ります。
そこでキノコに簡単に触れない様に、ガードを付けた、訳の分からない仕様も有りました。
工場内の規定や都合で、停電自動復帰方式では問題が有る時は、ご指示により、復帰しない様にも設計しております。
また、工場では、他の機械装置と合わせる為に、運転表示灯は赤色、停止時は緑色を点灯、異常表示灯は橙色を指定される例も有ります。
これらは納入先の仕様書に合わせて、臨機応変に対応しております。