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試験室の保守点検

弊社の試験室や関連設備のメンテナンスについて
解説します。

試験室の保守点検

弊社には、独自に開発したDPC方式と、CSC方式の2機種の空調機が有ります。
基本的に、恒温恒湿室には、DPC方式、環境試験室には、CSC方式が採用されております。
この名称で、他社に問い合わせされても、独自の方式ですから、何の事かわかりません。

DPC方式の保守

DPC方式には、トラブルメーカーの加湿器が有りません。冷水を散水して自然に加湿する方式ですから、故障が非常に少なく、吸込口のエアーフィルタ以外には、定期点検する必要は、ほぼ有りません。メンテナンスフリーに近い空調機です。
この為、納入後10年の無故障は良く有り、最長は、21年間の無故障記録が有ります。

DPC方式は、空調機内の冷却水と、室内の空気を接触させますから、冷却水は次第に汚れて来ますが、冷却水は自動置換させておりますから、10年以上の無故障記録がある様に、それほど冷却水は汚れません。
それでも、長い間には、水槽の底部に重い不純物が沈みます。沈んだ不純物を巻き上げる事の無い構造ですから、不純物はやがて底部に蓄積して、ヘドロの状態にはなります。
これが問題になる場合は、給水バルブを閉じ、水槽の水を、手動で全排水して、掃除してから給水すれば、いつでも空調機内は清潔な状態を保てます。

弊社のDPC装置には、お客様でも簡単に空調機の内部清掃ができるように、写真の様な手動水洗ノズルキットが、空調機の内部に、標準で付属しております。

左は、水槽内を洗浄してする写真です。

右は、散水機構と充填剤を
洗浄しています。

この様に、お客様でも、簡単に空調機の内部を洗浄する事が出来ます。

CSC方式の保守

CSC方式の空調機にも、吸込口にエアーフィルタが有りますから、このフィルタの点検と保守は同様に必要です。

弊社のCSC方式の空調機の内部には、2台の加湿器が収納されております。これを軽く働かせて、交互に洗浄する事で、長期間加湿器のトラブルを防止しております。
それでも、やがて蒸発できない不純物が固形化 (スケール) して蓄積し、熱交換不足になり、加湿器の温度ヒューズが溶断する等の故障が、いつかは、必ず発生します。これは加湿器の宿命的な問題です。
純水器を使用すれば、加湿器のスケール問題は解決しますが、純水器の保守に高額な費用がかかりますので、これは解決方法とは言えず、弊社では、お勧めしておりません。

加湿器の保守

CSC方式でも、加湿器が長持ちする様になっただけで、いつかは必ず故障します。この為に、1台の加湿器が故障しても、湿度を乱さずに、残りの1台の加湿器で、そのまま実験が継続できるようにしております。
加湿器の交換は、どなたでも、簡単にできるように工夫されており、スパナで細い銅配管を外せば、加湿器本体は、空調機の外に取り出す事が出来ます。ケープルを付けたまま加湿器を取り出し、内部の清掃を行ったり、温度ヒューズの交換を行う事が出来ます。
また、プラスドライバーが有れば、5本の電線を外せば、すぐに新品と交換もできます。

この様に、加湿器の交換は非常に簡単なので、お客様に加湿器をお送りして、女性のお客様でしたが、ご自身で、こちらからの電話指示を受けながら、無事に交換された例もあります。
加湿器はトラブルが多いので、弊社では常時標準で在庫しており、即日の発送が可能です。

写真は、空調機内部に組み込んでいる加湿器です。簡単な構造ですが、制御性能は良く、価格も安く、交換も簡単にできます。

一番左は新品で、真ん中は、CSC方式で、1年使用した物です。

右は、何の対策の無い空調機で、半年使用した物です。スケールが蓄積しています。

エアーフィルタの保守

空調機の吸込口には、エアーフィルタかあります。吸込口上部のローレットビスを外すと、吸込口は開くことが出来て、フィルタを引き抜くことが出来ます。
電気掃除機で、清掃できますが、汚れが激しい時は、ホースで水洗する事も可能です。
水洗したフィルタは、水を切れば、そのままでも、再取付して運転が可能です
また、濾材だけを注文して、新品に交換する事も可能です。

フィルタは、片方が金網で、もう片方は、押さえの太い針金だけです。見た目からか、金網を表にして取付している例が多いのですが、金網にゴミが絡んで取れなくなります。
また、裏側は、針金だけで押さえておりますから、濾材が外れやすくなります。

経験上、弊社では、写真の様に、吸込フィルタは、押さえの針金側が表になる様に取付する事を、お薦めしております。

冷凍機の保守

冷凍機は、屋外に設置しますから、設置場所に寄っては、汚れが激しくなります。
冷凍機の裏側には放熱器(コンデンサ)が見えます。表から見えるプロペラファンで、空気を引っ張り、熱い空気を吐き出しております。
この放熱器(コンデンサ)は、自動車のラジエターと同じ様な物で、目詰まりすると、冷媒の圧力が高くなり、オーバーヒートして異常停止します。これを高圧カットと呼んでいます。
冷凍機は、屋外設置用なので、丸ごと水洗できますから、重点的にコンデンサの部分を洗い流せば、異常停止は復旧致します
通常、お客様に行っていただく保守点検は、これだけです。

定期点検

定期点検は、1年に1回程度行う事が理想ですが、弊社の装置は非常に故障か少ないので、そのまま長期間使用されているお客様がほとんどです。
定期的に点検されているお客様は、使用中の試験室の精度を、取引先に証明する必要が有る場合等の理由で、定期点検を依頼されています。

実は、点検してもほとんど異常は有りませんし、交換部品も有りませんので、請求できるのは、人件費と交通費だけになります。1日に何件も回るサービス業と異なり、遠方のお客様に技術者が定期点検に行っても、正直な所、人件費だけでは企業として利益が出せません。

この為、弊社では、定期点検は、積極的にお勧めしておりません。但し、湿度センサには、製品にバラつきがあり、物によってはドリフトが発生する場合がありますから、定期点検を依頼されない場合は、湿度だけは、信頼のできる測定器で、定期的に精度を確認する様にしてください。湿度がドリフトすると、実験の結果に影響が出ます。

湿度に異常が見られた時には、定期点検を依頼してください。気象庁検定付きの測定器と指示値を比較して、湿度調節計の指示値を補正する事が出来ます。

 
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