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冷凍機の設置場所

恒温恒湿室や環境試験室の必需品である冷凍機。
その設置場所の条件を実例と共に解説します。

冷凍機の設置場所

恒温恒湿室や環境試験室の設置には、必ず冷凍機の設置が必要です。エアコンで言う所の室外機で、できるだけ屋外の風通しの良い所に設置する必要が有ります。
屋内の試験室と屋外の冷凍機は銅配管で接続されておりますが、この相互の距離は近いほど良く、あまり遠くには伸ばせません。

理想的には、1階設置ならお部屋は窓際か壁際で、冷凍機はそのすぐ外側の地上になります。
2階設置でも設置場所は窓際か壁際が良く、冷凍機はベランダか地上あるいは建物の壁です。
この位置関係が、冷媒配管の費用が一番少なくなる設置場所です。

現実的にはなかなか理想の場所は少なく、大きな建物ではパイプシャフトを経由して、屋上の設置になる例も良く有ります。この場合は、工事費用も高額になります。
弊社ではインバータ冷凍機を使用しておりますが、省エネの為に冷凍機の回転を落とすと冷媒とオイルが一緒に配管内を回っている関係で、落差が大きい場合はオイル戻りが悪くなります。試験室が2階で冷凍機は7階の屋上と言った例も有りますが、従来のレシプロのコンプレッサの冷凍機と異なり、小さなインバータ冷凍機ではこの落差と配管距離が問題になります。
逆に、冷凍機が地上で試験室の方が高い場所に設置される場合は、オイル戻りの心配は有りません。

左から:小型1台の簡易設置例、小型4台の軒下設置例、小型2台のベランダ設置例

左から:小型10台の屋上設置例、大型4台の地上設置例

試験室の近くの屋外に、全く冷凍機の設置場所が無い場合も有ります。
この場合は水冷の冷凍機を使用して、水で冷却する場合も有ります。建物に冷却用の循環水が無い場合は制水弁を取付けて、必要最小限の水道水か井戸水、工業用水等で冷却している例も有ります。

下の写真は病院内の設置例で、屋外には何処にも冷凍機の設置場所がない為に、水冷の冷凍機を防音のBOXに入れてお部屋の片隅に置き、井水利用の水道水で冷却している例です。水は使い捨てですが、運転中には冷却に必要だけの水が流れており、運転を停止すると水も流れなくなる制水弁付きです。
運転音は、病院内でもほとんど気にならないレベルです。

 
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