
加湿器肺炎
加湿器肺炎の原因や肺炎を起こす加湿器について解説します。
加湿器肺炎
最近は、冬季になると、加湿器肺炎と言う言葉を見たり、聞いたりします。
冬季になったら、家に帰ると咳が出て止まらなくなった。風邪薬を飲んでも、医者から処方された抗生物質を飲んでも咳が止まらないが、外出すると自然に咳が止まる。
家に帰ると、落ち着く筈なのに、何故か倦怠感が出て来て、寒気がしたり、発熱したりする。この様な症状が出た場合は、加湿器を疑って下さい。
加湿器肺炎の原因
加湿器には水タンクが有りますが、この中の水は、時間がたてばカビが生えます。このカビが空気中に放出されて、これを吸い込めば、アレルギー性の肺炎になります。アレルギーですから、抗生物質を飲んでも、全く効果は有りません。
加湿器の使用をやめるか、タンクを清掃して水を頻繁に変えれば、解決してしまう場合が有ります。
加湿水にカビが発生する程度なら過敏性の肺炎で済みますが、細菌が繁殖すると、重症化する事が有ります。特に、加湿器のタンクに水を入れたまま長期間放置すると、レジオネラ菌が発生する場合が有ります。この加湿器を使用すれば、レジオネラ肺炎に感染する可能性があります。
レジオネラ菌に感染して、肺炎が重症化すると、死亡率は10%と言われておりますから、抵抗力が低い高齢者、幼児が居る場合は、特に注意が必要です。
肺炎を起こす加湿器
加湿器には、数種類の加湿方法が有ります。お湯を沸かして加湿する電熱式の加湿器は、このレジオネラ菌の心配は全く有りません。レジオネラ菌は、温度60℃で死滅しますから、タンクの水が古くても、沸かして殺菌しますから、加湿する蒸気に細菌は出て来ません。
欠点は、常にお湯を沸かしているので消費電力が大きい事と、内部に蒸発出来ないミネラル分が残ります。このミネラルが蓄積付着すると、加湿器が故障する事、加湿器内部には熱湯が有り、吹出口からは、熱い蒸気を吹出しているので、お子様が居ると、火傷の危険性が有る事です。
フィルタに水を染み込ませて、ここに通風して加湿する自然蒸発タイプの加湿器も有ります。このタイプは、フィルタ自体にカビが生えますから、この加湿器は、頻繁にフィルタを清掃する必要が有ります。
1番問題になるのが、超音波加湿器です。これは、超音波を使用した霧吹きですから、水タンクの中にある物は、カルシウムなどのミネラルであろうと、カビであろうと、細菌であろうと、全て超音波で細かい霧にして叩き出します。
ペットボトルのミネラルウオータを使用すると言う話も聞いた事が有りますが、ミネラル分を叩き出して吸い込んでも、何の健康効果も有りません。また、水道水の様に、塩素が含まれておりませんので、細菌が発生し易くなります。加湿水には、水道水を使用して下さい。
しばらく使用していなかった加湿器を、清掃しないで運転すると、水タンクの中で発生したカビや細菌は、全て叩き出しますから、タンクの中にレジオネラ菌が生育していれば、大変危険な状態になります。レジオネラ菌はどこにでもいる菌で、乾燥しても死滅しないので、水タンク内に入り込むと、自然に育成してしまう可能性が有ります。
超音波加湿器は、省エネ性をうたっており、価格も比較的安いので、家庭用としては、一番販売実績の有る加湿器ですが、実は、この加湿器が、加湿器肺炎の原因になっています。
省エネと言いますが、室内で霧を蒸発させるので、室温は気化熱を奪われて低下します。
下った室温を再び上げる為に、暖房能力を使用しますので、けして省エネではありません。
霧を発生させるのには、少ない電力しか消費しないので、省エネと表現しているだけです。
また、水中の不純物を全部霧にして放出しますから、ミネラル分は特に静電気の有る場所に付着します。付着した部分はザラザラになり、これは拭いても、なかなか取れません。
弊社の恒温恒湿室は、独自のDPC方式で、冷水を散水して自然加湿する方式です。冷蔵庫と同じ様に低温で、冷却水は循環させて置換しますから、雑菌は繁殖し難い環境です。
環境試験室は、お湯を沸かして加湿するCSC方式ですから、沸騰で雑菌は死滅します。
弊社の空調機では、加湿器肺炎は起きません。
DPC方式、CSC方式と言うのは、弊社の空調システムに付けた独自の名称ですから、他で検索しても判りません。