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除湿加湿方式

PID方式とも呼ばれる
除湿加湿方式について解説します。

除湿加湿方式

空調に関するいろいろな方式の中で、除湿加湿方式と言う言葉が使われる事が有ります。
これは単純に、エアコンで冷却除湿してから、ヒーターと加湿器を使用して、設定された温度と湿度に上昇させて、設定値で安定に保持させる物です。

事務所等の一般空調では、ON-OFF制御が多く、温度が上がると冷房を行い、温度が下ると暖房を行います。冬季で湿度が下ると、加湿器を働かせて、湿度を設定値迄上昇させるものです。
エアコンで冷却しただけでは、相対湿度は下がりませんので、夏季は加湿器が働きません。
この為に、エアコン用の加湿器は、エアコン内部の冷却コイルの下に設置されております。
冬季になれば、冷却は停止します。外気の湿度が低いので、室内の湿度が低下すると、加湿器が運転を始めます。その上の冷却コイルは働いていないので、除湿される事は有りません。

この様なON-OFF制御で売られる温湿度の精度は、±2~3℃で、湿度は±10~30%です。
お部屋が広く、適正な能力の空調機ですと、精度も少し高くなりますが、恒温恒湿室としての性能は期待できません。

そこで、エアコンを冷房で連続運転させておき、低下した温度をヒーターで設定温度に移行して保持させ、低下した湿度は、加湿器を使用して、同様に設定点でバランスを取るのが、恒温恒湿室の除湿加湿方式と呼ばれる方式です。

ヒーターと加湿器は半導体で精密制御させますので、温湿度の精度はとても高くなります。
この制御方式を総称して、PID (比例・積分・微分) 方式と呼ぶ事も有ります。

PID方式の設計は、夏季に最大の熱負荷が有る時を想定して、エアコンの冷房能力を選定しますから、夏季は冷房して、ちょっと加熱する程度ですから除湿量は少なく、夏季は外気の湿度も低いので、加湿器の稼働率も下がります。

冬季になっても、夏季と同じ能力で冷却除湿していますから、冷却除湿は過大になります。加熱ヒーターと加湿器の稼働率がとても高くなるので、冬季の消費電力は大きくなります。

冬季には必要が無いのに除湿を行いますから、この方式は、特に加湿器の稼働率が高くなります。加湿器は、水道水を沸かして加湿するのが主流なので、蒸発出来ないカルシウム等のミネラル分は、加湿器の中に残されて、やがて固形化して蓄積します。

加湿ヒーターと水の接触が、スケールによって阻害されますと、ヒーターの表面温度が上昇して、温度ヒューズが溶断したり、加湿ヒーターにピンホールが開いて、漏電事故が発生します。

エアコンを利用したPID方式では、冬季も連続で冷却除湿していますが、エアコン用の加湿器は、エアコン内部の冷却コイルの下に収納されております。
一般空調では、冬季に冷却は停止していますので、問題無く加湿しますが、PID方式では、加湿した真上に冷却コイルがありますから、ここで直ぐに除湿してしまいます。湿度が上がり難く、加湿器の稼働率が非常に高くなりますから、加湿器の故障も続発します。

加湿して、すぐ除湿するのは、水を沸かして蒸気にして、除湿して水に戻し、そのまま捨ててしまっている事になります。これはただの蒸留水製造機で、高価な蒸留水を、惜しげもなく捨てている事になります。
これが、除湿加湿方式とか、エアコンを利用したPID方式と呼ばれる空調方式の、最大の欠点になります。

加湿器のトラブルが続発してメーカーに相談すると、純水器の取付を薦められますが、純水器の保守には、高額の費用がかかりますので、加湿器の故障が減っても、これでは解決方法とは言えません。
この加湿器と純水器の問題は、技術資料の、加湿器のトラブルと純水器の項目で、詳しく説明しておりますので、こちらをご参照下さい。

弊社では、この様なPID方式の欠点を改良する為に、独自に開発したCSC方式が有ります。この方式は、必要以上に冷却除湿をしないので、ヒーターと加湿器の稼働率が低くなり、とても省エネです。加湿器は2台の自動交互自動洗浄方式で、故障が少ない装置です。
電熱式の加湿器は、水中のミネラルが、必ず加湿器の中で固形化するので、完全な故障防止対策は、どのメーカーでも出来ておりません。弊社も結果的には長持ちさせているだけです。

CSC方式の詳細は、恒温恒湿室のページで詳しく解説しておりますので、こちらをご参照下さい。

弊社には、加湿器を使用しない独自で開発したDPC方式の空調機も有ります。
加湿器が無いので、故障が少なく、必要以上に冷却除湿しないので、とても省エネです。
このDPC方式も、恒温恒湿室のページで詳しく解説しておりますので、こちらをご参照下さい。

 
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