support/column/drain-up-pump

ドレンアップポンプ

ドレンアップポンプの役割や故障、
故障への対策について解説します。

ドレンアップポンプ

ドレン水の発生

冷凍機を使用した空調機では、必ずドレンが発生します。エアコンの冷房時に、排水管からボタボタ流れ落ちて来る、あのきれいな水です。一般的な空調機でも発生しています。

冷水で空調する、弊社のDPC方式では、冬季にドレンとして排水されるのは、実はドレンでは無く、冷却水の濃縮を防止する為に、定時的に置換している時の、10℃程度の冷水です。
定時的に、4~5ℓ程度の冷水が排出されます。
DPC方式は必要なだけしか加湿しないので、冬季は、基本的には、ドレンは一滴も排出されません。
夏季は、外気の湿度を奪って空調します。無駄な加湿はしていませんが、空気中の水分が凝縮して、水槽の水が増え、オーバーフロー管から、ポタポタと、ドレンが排水されています。

弊社CSC方式の恒温恒湿室で、加湿器を使用するタイプでは、連続して少量のドレン排水が発生します。
CSC方式は、過剰に冷却除湿しないので、ドレン水の発生は、従来方式と比較するとわずかです。
但し、定時的に行われる、加湿水の濃縮を防止する置換洗浄時には、50℃程度の熱水が排水されます。
他社方式の加湿器の様に、100℃の熱湯は排出されませんので、通常の塩ビ配管で排水が出来ます。
また、いずれも定時的に数ℓの置換排水が行われますから、小型エアコン用の小さなドレンポンプでは、処理しきれない場合が有り、漏水の原因になります。

マイナス温度がある環境試験室では、空調機内に加湿器を入れたら、凍結しますから、市販の外付けの加湿器を使用しております。この加湿器は、洗浄時には、熱湯が排水されます。この様な加湿器では、他社では、耐熱の塩ビ配管を使用している例も有ります。但し、建物の中の排水配管は、普通の塩ビ管ですから、このまま熱湯を建物の排水管に流すと、建物の中の排水の塩ビ配管が損傷してしまう可能性が有りますので、弊社では。冷却用のタンクを通して、冷却してから、排水する様に工夫しております。

左の写真は、実際のドレンアップポンプです。5m程度の揚程が有りますから、高い所に排水する事も可能です。

空調機によって、冷水や、温水が流れますので、タンクがしっかり保温されたタイプを使用しております。
0℃の冷水から、+90℃の熱水に迄対応しています。

これは、ドレンポンプを空調機の脇に設置した例です。

左の写真は、ドレンアップポンプを、空調機の内部で、ドレンパンの下に配置した例です。

外からは見えませんので、スマートですが、メンテナンスは、正面のパネルを外して行う必要が有ります。

この写真の様に、ドレンパンの位置を高くすると、その分だけ吸込口が高くなりますから、室内の温度分布に影響します。この為に、空調機の排水孔の高さは、最大でも、300H程度にしております。

現場に、この高さより下に排水口が無い場合や、設置場所に排水口が無く、隣の部屋に有る場合等が有りますから、この場合は、やむなく、ドレンアップポンプを使用して、遠方や、高い所に排水しております。

ドレンアップポンプ故障の問題

過去の例から、試験室のトラブルで、一番多いのが加湿器で、次かドレンアップポンプの故障です。
ドレンアップポンプに、加湿器を自動洗浄した温水を流しますと、コケの様な不純物がポンプのタンク内に蓄積して、満水を検出する警報用のフロートの動きが渋くなります。満水なのに満水の異常警報が出ないまま、排水があふれ出してしまった事例が、数件ですが、過去に実際に発生しています。
故障警報が出れば空調機の運転を停止できますが、フロートの動作不良の場合は、警報が出ません。
テナントビルで漏水しますと、階下の会社から、損害賠償問題が発生します。

この様な事例が過去に数件発生していますから、出来るだけ、排水は床の排水口に直接排水が出来る様に配慮して下さい。
ドレンアップポンプの使用は、過去にトラブルの発生が有るので、あまりお薦めできません。

ドレンアップポンプの故障対策

ドレンアップポンプが故障したら、空調機の運転は停止させていますが、故障警報が出ないまま排水があふれ出してしまう事例が、過去に数件起きております。

テナントビル等で、漏水事故が絶対に許されない場合は、ドレンポンプや、空調機の周囲に、漏水検知器を設置して、漏水を検知したら、運転を止め、給水パイプにも遮断弁を付けて、水を遮断しています。

悪い時には、悪い事が重なる事例が多く、過去の漏水事故は、漏水対策をしていなかった現場で、人の居ない夜中や、休日に発生しています。人の居る昼間には、漏水事故は有りません。
また、漏水対策をした現場では、不思議とトラブルが発生しておりません。

階下が他社の場合や、水を嫌う製品が有る場合では、ここまでの漏水対策を絶対にする必要が有ります。
また、新築の建物の中に試験室を設置する場合は、ドレンアップポンプに頼らず、空調機の近くの床に、40φ程度の排水口を設置する様に、設計の段階で指示する事をお薦めします。

階下のお部屋の天井に有る、天吊りエアコンの排水管に、試験室の排水管を繋がれてしまった例も有ります。一般空調用のエアコンでは、大量にドレンが発生する事が有りませんから、排水管細く、小さなドレンアップポンプが接続されているだけです。
ここに、空調機の定時排水が流れると、処理しきれずに、エアコンのドレンパンから、机の上に漏水してしまった事例も有りました。

恒温恒湿室や、環境試験室の空調機には加湿器が有りますから、一般空調のエアコンとは使用条件が異なります。
一般のエアコン用に設置された排水管に、空調機の排水配管を接続しない様に、排水工事には注意されて下さい。

この文中に有る、DPC方式、CSC方式と言うのは、弊社の社内名称です。詳細は、ホームページの恒温恒湿室の項目の中で御確認下さい。

 
恒温恒湿室・環境試験室など、各種お問い合わせ・無料お見積もりはこちら
03-3905-4855
メールでのお問い合わせは24時間受付中