
試験室の出入口の種類
一口に扉と言っても様々な種類があります。
それぞれの扉のメリット・デメリットについて解説します。
試験室の出入口の種類
出入口扉の種類
試験室の出入口のご希望はいろいろありますが、基本的に常温常湿で使用する恒温恒湿室用のボトムタイト扉と、低温や高温多湿等の過酷な条件に対応した防熱扉が有ります。
ボトムタイトとは、解放時は扉の下に隙間が有り、閉じると扉からシャッターが下りて隙間を閉鎖する物です。この機能に為に断熱性は悪く、一般的に空調された建物の中に設置する恒温恒湿室に使用されます。
3方枠ですから床面に突起物は無く、扉解放時にはバリアフリーになります。
断熱扉は一般的には4方枠ですから、出入口の下に戸当たりが出来ます。また、低温や高温多湿の条件では床を断熱する例も多いので、出入口は床から高い位置になります。
低温倉庫などでは、台車を通りやすくするために3方枠のバリアフリーとして、ゴムのスカートを扉下に取り付ける例も有ります。業界用語では、ズリゴムと呼んでいます。
スライド扉は密閉性が悪いので、恒温恒湿室やクリーンルーム用です。人が近づくと開く電動の自動式もあります。過酷な条件の環境試験室には使用出来ません。



左から:標準ボトムタイト扉、標準防熱扉、スライド扉
開口部と扉のサイズ
断熱パネル1枚の幅は900です。このパネルで製作した場合、一番無駄の無い開口部のサイズは860幅になります。ここから標準扉の開口部は860×1900Hになっています。
このサイズが一番多く出ておりますが、もちろん開口部の広さを指定する事は可能です。開口部の幅が1000迄の幅は片開き扉で、1500迄は親子開き扉、これ以上は両開き扉としています。2000幅の両開きとすると、開いた時に扉が手前に1000も出てきますから、この様な場合はお部屋が広ければスライド扉としている例も有ります。
出入口の高さについては御自由に御指定いただけますが、温湿度範囲の広い環境試験室の場合は必要以上に高くしない方が、出入り時の温湿度の乱れは少なくなります。
条件が過酷な場合は小さな前室を設けて2段階に入室すると、乱れは最小になります。



左から:ボトムタイト両開き扉、両開扉の内側、ゴムスカート式の親子開扉
過酷な条件の試験室では閉じ込められたら大変ですから、環境試験室の扉は外からロックされても内側から確実に開ける様に、ハンドルのロック機構その物を内側から外してしまう機構が標準で設けられております。
右の写真は防熱の親子扉ですが、黒い帯上の部分に丸いツマミ状のハンドルが2個見えています。この丸いハンドルを左に回すと、表側のハンドルのロック機構の部分が外れてしまうので、確実に左側の扉は解放されます。
マイナス温度の低温運転を長時間行うと、扉のパッキン部分が凍結します。また、高温多湿運転ではゴムパッキン部に結露して水滴が落ちますから、扉枠とガラス窓にはヒーターを組込んでおります。
高温多湿運転の装置では、両開きの扉にすると合わせ目にはヒーターが入りませんので、合わせ目に結露します。高温多湿運転の場合は、片開きの扉にする事をお薦めします。

窓の種類とサイズ
扉には出入りする人の衝突防止と内部の監視目的等で、一般的には透明の窓を取付けています。内部を見せたくない場合は曇りガラスやブラインド付やカーテン付の例も有り、紫外線防止のイエローガラスや破損防止目的で樹脂の窓等も有ります。
観測窓の標準のサイズは400×400か500×500ですが、御希望のサイズを指定する事も出来ます。
壁に観測窓を取付する場合はパネルが900幅なので、強度の面を考慮すると600幅程度迄で高さ方向は指定できます。600幅なら、各パネル毎に取り付けする事も出来ます。但し、窓の真下には埋込コンセントの取付けは出来ません。
また、見学者用に長い窓が必要な場合は、1500の幅が現在迄の最大寸法になります。
恒温恒湿室に使用している窓ガラスはペアグラスです。温度範囲の広い環境試験室ではトリプルグラスを使用しておりますが、低温や高温多湿ではそれでも結露する例は多く、現在は窓ガラスに透明のヒーターを仕込み、加熱して曇りや結露を防止しています。
現在では、高温多湿運転でもワイパーの様な物は不要です。


左から:窓と出入口の多い試験室、見学者用に長い窓の試験室
非常脱出口と点検口
出入口が1ヶ所ですと、出入口付近で火災が発生すると逃げ場が無くなります。この様な危険性の有る場所では、反対側に非常脱出口を取付ける例が有ります。


左から:室内側に開く脱出口、赤いボタンを押すと外側に開く脱出口
またお部屋の中に断熱パネルで試験室を作ると、既存の壁に有る分電盤の操作が出来ないとか、天井上に有る装置のメンテナンスが出来ない等の理由で、壁や天井に小さな点検口を取付けている例も有ります。


左から:壁の点検口、点検口裏の分電盤
この様に壁に移動できない物が有る場合は、その部分に点検口を取付ける事で断熱パネルの試験室を建物ギリギリに設置する事も可能です。
取外可能パネル
試験室の内部に設置した大きな機械の出し入れが時々必要になる場合は、大扉を取付けせずに、右の写真の様に必要な時だけパネルを取り外せる搬入口(マシンハッチ)を設置できます。大扉より価格は安く出来ます。
パネル1枚が900幅ですから、右の写真は取り外すと1800×2200Hの開口部が出来る例です。
大きな物では高さ4000Hの試験室でパネル4枚が取り外せ、3600×3500Hが開口する大型の搬入口の例も有ります。
