
一次電源の電流容量
卓越した省エネ技術で地球の未来に貢献
一次電源の電流容量
制御盤の電源容量の決定
恒温恒湿室等の試験室を設置する場合は、動力電源の三相200V (AC200V 3φと書きます。)と、給水、排水が必要になります。
電源は、建物の動力分電盤から、分岐しますが、ここから制御盤迄を一次電源と呼びます。
この電流容量は、制御盤と同じか、大きくする必要が有ります。元の分電盤の方が小さいと、過電流が発生した時に、元の方のブレーカの方が落ちてしまいます。
基本的には、漏電はめったに起きないので、標準の制御盤は、主電源を漏電ブレーカ(ELB)にしておりますが、御指定で、分岐回路の方を、全部漏電ブレーカにしている例も有ります。
送風機と、冷凍機はモーターですから、運転開始時には、短時間ですが、大きな突入電流が流れます。この為、一般的には、定格電流より大きな電流容量のブレーカを採用します。
ヒーターと加湿器には、突入電流は流れません。
制御盤の動力機器の分岐ブレーかは、1.5倍程度の電流容量を見ますが、突入電流が流れないヒーターも有るので、主幹の電流容量は、使用されている機器の最大電流の総和に、2~3割程度の安全率を掛けるのが一般的な算出方法になります。
下記は、良く有る10坪程度の恒温恒湿室の使用機器の電力の一例です。

この容量の機器を使用した場合の主幹の電流容量は、最小で60A程度は必要になり、エアコン利用方式や、余裕を見れば、この1ランク上の75Aにするのが一般的です。
弊社の恒温恒湿室は、独自の空調方式のDPC方式が多く、加湿器が有りません。
また、送風機と冷凍機は、インバータ制御ですから、突入電流は流れません。
但し、他社と電源容量を比較するには、加湿器を使用する弊社独自のCSC方式が判りやすいので、ここでは、同じクラスの能力の空調機を選定して、表にして比較して見ます。
弊社では、送風機は温湿度が設定条件になれば、半分に能力を落とします。室内騒音は極端に低下しますが、温湿度の制御性能はほとんど変わりません。
冷凍機は能力制御していますから、電流値は4A~11.6Aまで変化します。最小時の能力が下るので、再加熱するヒーターと加湿器の電流が減少します。また、同じ2.2kWでも、最大能力が大きくなるので、夏季の温湿度の移行速度が速くなります。
弊社の場合、送風機も冷凍機もインバータ制御ですから、突入電流は流れず、安全率を見る必要は有りません。冷凍機が最大冷却除湿量になると、ヒーターと加湿器の電流は0になる等、両者はシーソーの様に制御されますので、絶対に総合計の電流は流れません。
下記は、他社の例と同じクラスの弊社の空調機の電流容量です。


冷凍機とヒーターはシーソーの様に制御されますから、実際の電流は、13.1~48.3Aの間で制御される事になります。冷凍機を運転停止しても、突入電流は流れません。
インバータ冷凍機ですから、最大時の冷却能力は、ずっと大きくなります。
これは、弊社独自のCSC方式の例ですが、お客様の電気のご担当者様にはなかなか理解されません。そんなにうまく行くのかとか、故障したら流れるだろうと言われます。
ここでは、従来と同じ計算方式で電流容量を出さないと、承認されない例も有りますので、主電源の容量は、50Aで足りますが、60Aにする事も有ります。
弊社の空調機の電気ヒーターと、加湿器のヒーターの最大電力は、手動のボリウムで、簡単に変える事が出来ます。ヒーターと加湿器の最大電力を絞ると、同時に、冷凍機の冷却能力と、除湿能力も、比例して低下します。
必要最小限に調整した場合、消費電力は、従来の空調方式と比較すると、1/3~1/6に低下する実績が有ります。省エネモードのスイッチを投入すると、春秋の中間期の精度は少し低下しますが、消費電力は1/10程度に低下する例も有ります。夏季の精度は変わりません。
社内の電気容量の都合で、どうしても電源容量が、仕様書の電流値迄は取れない場合は、ご相談下さい。動力電源の契約を大きくすると、契約料金が高くなり、建物の受電設備(キュービクル)を入れ替える必要が出てくれば、高額な設備費用もかかります。
実は、温湿度を早く移行させるには大きな電力が必要ですが、到達して、安定してしまえば、それほど電力は消費しません。
時間を掛けて到達させれば、その後は電力をあまり使用しません。つまり、最大時の電気容量は、少ない一次電源に合わせて、手動で変更が出来るのです。
弊社の空調機は、ボリウムを絞って、少ない電力でゆっくり到達させれば、他社では不可能と言われる程少ない一次電源の容量でも、到達時間が少し遅くなるだけで、安定に運転させる事が可能な空調機なのです。
この省エネ運転の詳細は、ホームページの省エネの項目をご参照下さい。
ここには、他社の製品を改造して、元の消費電力の1/5以下に改造した実績集等が乗せて有ります。