
恒温室、恒温恒湿室の導入目的
恒温恒湿室を恒温室として利用しないために
恒温室、恒温恒湿室の導入目的
室内の温度と相対湿度を高精度に一定に保つ目的で設置されるのが、恒温恒湿室です。
紙や繊維、フィルム等は、温度と相対湿度の影響を受けて、伸び縮みしますから、その特性も変化します。これらの試験においては、必ず、一定の温湿度を精密に保持して、試験する必要が有ります。
また、高品質な製品の製造は、この様な環境に制御した工場内で生産されております。
従来は、温度だけ一定にすれば良いとの考えも有り、湿度制御の出来ない恒温室が採用されてきた歴史も有ります。また、一般的な恒温恒湿室では、加湿器の故障が多発するので、その高額な保守費用に悩まれて、加湿器の使用を停止して、恒温恒湿室を、やむなく恒温室として使用している例も多く見受けました。
しかし、実際には、どのような物質でも、少なからず、湿度の影響を受けます。低湿度では静電気が発生しますし、多湿度では金属が錆びる問題が発生しますから、湿度制御の出来ない恒温室では、いずれこれらが問題になって来ます。運転中の室内湿度が、現在、どの程度なのかが全く分からないのでは、実際の試験結果には、何らかの支障が出ると思います。
弊社には、現在でも、恒温恒湿室は高いであろうと、価格面を心配されて、湿度制御の出来ない恒温室のご相談は有りますが、下記の理由で、実際の出荷はほとんど有りません。
一般的な恒温室の制御は、エアコンあるいは、冷凍機を連続運転して、温度を下げて、加熱ヒーターで設定温度を上げて設定温度を得ていますが、空気は冷却して加熱すると、除湿されます。この方式は、空気の乾燥した冬季でも、全く必要の無い除湿を行いますから、室内は極端な乾燥状態になり、静電気が発生します。冬季の極端な低湿度は、健康面でも大きな問題が有ると思います。
また、この一般的な制御方式の恒温室は、消費電力が大きい欠点が有ります。
一般的な恒温室を使用されていると、湿度管理の必要性が、必ず後から発生します。そこで、湿度調整が出来る様に改造が出来ないかとのご相談も良く有ります。
この様な個要望が多いので、現在、弊社の標準の恒温室は、温度だけでなく、室内の湿度が見られ、除湿量を制御できる様にしております。
弊社の空調方式は、湿度の高い夏季は、室内を設定した湿度迄下げます。それ以上に、過剰には除湿しません。また、冬季は、出来るだけ冷却除湿しない様に制御していますから、非常に省エネであり、冬季でも室内が極端に乾燥しません。
この為に、弊社の恒温室は、恒温室と言う呼び名であっても、湿度センサと、湿度調節計は標準装備しています。弊社のCSC方式は、この2点を追加するだけで、室内の湿度を常時監視する事が可能で、夏季は除湿制御ができます。
価格的にも、これだけの追加だけですから、恒温室の全体から見れば、わずかな追加料金で、この機能を持たせる事が出来ます。
お客様が、ご予算の関係で、恒温室にするご希望であっても、この機能を説明すると、ほとんどのお客様がこの機能を希望されますので、現在、弊社では、湿度管理の出来ない単純な恒温室の出荷は有りません。
また、湿度調節計には、加湿信号を標準で持たせておりますので、後日に、必要があれば、外付けの加湿器を取付けすれば、そのまま、恒温恒湿室に改造してご利用いただけます。
弊社の恒温室は、この様に、必要があれば、後から恒温恒湿室に簡単に改造が出来ます。
恒温室をお考えの場合は、ぜひ、ご相談いただきたいと思います。
他社恒温室の改造
恒温室をすでに導入していたり、恒温恒湿室であっても、加湿器の故障に悩まれて、加湿器を停止して、湿度制御の出来ない恒温室としてご使用になっている場合は多く有ります。
しかし後から、やはり湿度の管理は絶対に必要だと考えられて、省エネで、故障の少ない恒温恒湿室に改造できないかと、改造を希望されるお客様もおられます。
他社製品の場合でも改造は可能ですが、制御が異なりますので、冷凍機、あるいはエアコンの交換、調節計の交換と制御盤の改造等、大幅に改造しないと省エネにはなりません。
省エネに出来ないと、加湿器の稼働率は変わらず、加湿器の故障は多発する事になります。
この様な場合、お部屋は長持ちしますから、空調機が古い場合は、空調機を入れ替えてしまう方が得策になります。制御盤は、交換が理想ですが、現場で改造している例も有ります。
ホームページに、退社の製品を改造したり、入れ替えたりして、省エネに改造した実資料を公開しておりますので、湿度の制御や、加湿器の故障、高額な電気料金等でお悩みの場合は、こちらを参照されて下さい。
弊社の空調方式
弊社の空調機には、基本的に下記の2種類の制御方式が有ります。
DPC方式
冷水を使用して、冷却除湿、自然加湿を行う方式で、加湿器が無いので、故障が少なく、消費電力も極端に少ない方式です。温湿度の制御性は特に良い方式です。この制御性は、驚愕と言われる温湿度の精度 のページで公開しておりますので、こちらをご参照下さい。
古い装置は、このDPC方式に入れ替えてしまった方が、電気料金が確実に1/3以下になりますし、精度が高くなり、故障も少なくなります。新装置に交換した費用は、電気料金と、加湿器の保守費用の差で、数年で回収できています。空調機を入替えたお客様からは、これ程の性能差が有るのなら、もっと早く入替をするべきだったと、良く言われます。
DPC 方式の詳細は、ホームページで公開しておりますので、こちらを御参照下さい。
CSC方式
空調設備が、まだ新しい場合は、加湿器を使用するCSC方式に改造している例も有ります。
但し、エアコン方式の場合は、エアコン本体を、冷凍機方式の場合は、冷凍機本体の交換と、調節計の交換、制御盤の改造が有りますから、数十万円の御予算では改造出来ません。
現状を見て、改造のお見積を出す事になります。
この場合は、概ね、100~200万円程度のご予算になります。
CSC方式の詳細は、ホームページで公開しておりますので、こちらを御参照下さい。
但し、DPC、CSCと言うのは、弊社で開発した空調機の社内名称です。この名称で、他社に問い合わせされても、何の事か判りません。
恒温恒湿室は、基本的に、常温常湿の試験室です。低温低湿や、高温多湿等の条件を含む等、運転条件の広い試験室は、弊社では、環境試験室と呼んでいます。
環境試験室も、ホームページで詳細を公開しておりますので、こちらをご参照下さい。、