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JIS規格による試験場所の標準状態

空調機は、JIS規格で定められた階級によって
精度の高さが表されます。
アイテックスの空調機の精度は
どの程度なのか解説します。

JIS規格による試験場所の標準状態

試験を実施する場所の標準状態は、日本産業規格(旧 日本工業規格)JIS Z8703-1983で定められており、国際規格のISO/IECの規格もほぼ同様です。この規格では、試験室の温湿度は下記の通りに定められております。

  • 標準状態の温度は、試験の目的に応じて20℃、23℃又は25℃のいずれかとする。
  • 標準状態の湿度は、相対湿度50%又は65%のいずれかとする。
  • 標準状態の気圧は、86kPa以上106kPa以下とする。

このうち気圧に関しては大気の1気圧が101.3kPaであり、86kPaと言うと大型台風の気圧で試験室がこの状態になる事はまず無いので、恒温恒湿室では気圧の関係は無視しております。

標準状態の許容差 JIS Z8703-1983

級別 許容差℃
温度0.5級 ±0.5
温度1級 ±1
温度2級 ±2
温度5級 ±5
温度15級 ±15
表1
級別 許容差%
湿度2級 ±2
湿度5級 ±5
湿度10級 ±10
湿度20級 ±20
表2

この表の備考には、「5~35℃の温度範囲を常温という。」「45~85%の湿度範囲を常湿という。」と記載されております。自然界ではこの範囲はあり得る範囲ですが、実際に試験室でこの範囲を得ようとすると低温では結露防止や霜取回路が必要になり、高温多湿では結露による水漏れ等が発生します。

弊社では、標準状態として規定されている温度20~25℃で湿度50又は65%付近の運転を行う専用機を恒温恒湿室と呼び、低温や高温多湿運転の対策をした試験室を環境試験室と呼んでおります。
メーカーによっては、安定した温湿度を得る試験室を全て恒温恒湿室と呼んでいる場合も有ります。
旧JISの標準状態は日本の気候に合わせて20℃/65%でしたが新JISでは国際規格に合わせ、現在ではほとんどの恒温恒湿室が23℃/50%になっております。
それでも業界によっては、旧JIS規格の20℃/65%のご注文も有ります。要求仕様は様々ですが、どの業種でも試験する環境は概ね20~25℃で、50~70%の範囲内に収まっております。この温湿度域であれば、弊社独自のDPC方式とCSC方式の恒温恒湿室専用機の空調機でカバーする事が出来ます。
それぞれの空調機は実験の目的により選択できますから、別の資料でご確認下さい。

温度は比較的安定させやすいので0.5級までの規格が有りますが、湿度の安定化は非常に難しいので、湿度の規格は最高でも2級までになっております。弊社のショールームのDPC方式の空調機は20年も前の装置ですが、制御回路を新方式に改良して±0.01℃/±0.02%の高い精度を実現しております。これはJIS規格より二桁も高い精度を得ており、空調業界の人からも驚愕の性能と言われております。

参考にDPC方式の恒温恒湿室で記録された温湿度のチャートを下記に示しますので、ご覧ください。また温度分布も1台の測定器であちこち人が動いて測定するのではなく、日本試験機工業会の規定JTM K07の温度の測定方法に基づき、お部屋の四隅の上下と中央の9ヶ所を同時に計測して記録しております。

湿度分布を問われる事も有りますが、1つのお部屋で温度分布が全く同じ温度なら、相対湿度は理論的にどの場所でも必ず同じになります。この為、湿度の測定は中央の1ヶ所だけで行っております。
この温度分布のチャートも下記に示しますので、参考にされて下さい。

DPC方式 精密恒温恒湿室記録チャート

弊社ショールームの空調機で実際に運転した記録チャート

このチャートは温度の記録幅を左端が10℃、右端が30℃に拡張しておりますから、中央が20℃でひと目盛りは0.2℃です。湿度は0~100%で記録しておりますから、ひと目盛りは1%の幅になります。制御精度は±0.01℃/±0.02%の高精度を実証しております。
温湿度は20℃/65%で運転中に、途中から23℃/65%に変更しております。DPC方式は、安定度は高いが温湿度の移行が遅い空調機ではありますが、30分で移行して全くオーバーシュートしないで安定しております。これが誰にも真似の出来ない、弊社DPC方式の実力です。
この空調機は弊社のショールームですから、連絡いただければ何時でもご覧いただけます。他社の方式では移行速度は早いがオーバーシュートするので、実際に安定するのには30分以上かかる例も有ります。

30㎡のお部屋で25℃/60%運転時の実際の温度分布記録

30㎡のお部屋で25℃/60%運転時の実際の温度分布記録

これは、弊社CSC方式を納入した手術室で記録した物です。運転開始時には少し幅が有りますが、60分後の温度分布は±0.3℃以内に収まっています。
左端のタグに示されたセンサ1は湿度センサが接続されており、単位℃で示されていますが、これは湿度ですから%RHの間違いです。

 
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