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観測窓の仕様

観測窓の仕様やその必要性について解説します。

観測窓の仕様

観測窓の必要性

通常恒温恒湿室や環境試験室は密閉構造です。完全暗室でない限りは、出入口の扉にだけは、標準で窓を取付しております。
暗室の場合でも、窓は取付けて置き、少し大き目の遮光カーテンで閉鎖出来る様にしている例も有ります。

出入口の扉には窓が必要だと思います。あわてて出ようとした人が、急に扉を開けますと、入室する人に扉が激突する事故になりますから、出入口の扉には標準で、400×400の観測窓を顔の高さに取付しております。
中を見せたくない場合は、半透明のガラスにして、人影は見えるが、内部はわからない様にした窓を指定される事も有ります。

標準の観測窓は400×400で、少し大き目を希望される場合は、500×500にしております。
更に中を良く見学者に見せたいと言う御希望も有り、600×800H等の例も有ります。
パネルが、900幅なので、強度を考慮すると、窓の幅は、600が最大幅になります。室内を良く見せたい場合は、このサイズの窓を900幅のパネルに取付けして、並べています。

試験室の中で現在の温湿度が見たいと言うご要望も有りますので、弊社では、出来るだけ室内から、制御盤が見える様に工夫して窓を設置しております。下はその参考写真です。

制御盤の前に窓を取付けした例
室内から見える運転温湿度

左から:制御盤の前に窓を取付けした例、室内から見える運転温湿度

出来るだけ大きな窓が欲しいと言う要望も有りますが、現在メーカーで製作出来る窓の幅は1500幅迄となっております。

左の写真は、現在製作可能な、最大幅の1500幅の窓を取付した例です。

観測窓の種類

試験室に使用される観測窓は、ほとんどの場合、ペアグラスですが、近年は恒温恒湿室の設置場所に空調が効いている例も多く、結露や曇りの心配がない場合は、シングルグラスを採用している例も有ります。グラスとガラスと混同していますが、業界用語です。

ペアグラスは、2枚のガラスの中に乾燥空気やアルゴンガスを封入した断熱ガラスで、恒温恒湿室に使用されます。お部屋と外気に大きな温度差が有っても、曇ったりしません。

運転範囲の広い環境試験室では、クリプトンガスを封入した3重の断熱ガラスが使用され、これはトリプルグラスと呼ばれています。

マイナスの温度が出せる環境試験室では、トリプルグラスを使用しても、運転時間が長くなると、端の方から曇り始めて、やがて全体に広がり、結露に至る例が有りました。

そこで、現在では、過酷な条件の試験室には、ペアグラスの中に、透明のフィルムヒーターを組込んだ、電熱式のペアグラスを使用しています。目視では中のヒーターは見えません。
低温運転では、試験室の外側が曇りますから外側を、高温多湿運転では試験室の内側が曇りますから室内側を、ヒーターで加熱すると、ガラス面に曇りは発生しません。

ワイパーを希望されるお客様もおられますが、この方法なら、ワイパーの必要は有りません。

マイナス温度から高温多湿迄運転する試験室では、条件を乱さない様に、お部屋の中には立ち入りしませんので、室内側のガラスが曇ってしまうと、ウエスで拭けません。運転範囲が広い場合は、室内側を加熱しております。
ヒーターを内蔵した窓の場合は、外側が曇る事はほとんど有りませんが、もし曇っても、外側なら、曇りを簡単に拭き取る事が出来るからです。

イエローグラス

紫外線を嫌うお部屋では、照明をイエローにして、窓もイエローにしている例も有ります。
勿論、これらの仕様にも対応できます。

写真は、照明と、窓をイエローにした例です。

紫外線を嫌うお部屋に使用します。

遮光の窓

普段は透明の窓ですが、見学者が居る時に、室内を見せたくない場合も有る様です。

この場合は、ブラインドを内蔵した複層のガラスで、ブラインドを閉じてしまう例も有ります。

但しこの窓は、価格が高いので、お部屋の中に、窓より少し広いサイズのカーテンを取付している例も有ります。

通常は、窓の上の部分に自動で巻き取ってあり、ひもを引くと下がり、手を止めると、そこで止まるカーテンです。

もう一度紐を引くと、自動で全部上部に巻き取ります。
扉の開閉時も、邪魔になりません。

暗室にしたい場合は、大きめの遮光カーテンにすれば、簡易的な暗室になります。

 
 
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