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室外機と冷凍機の違い

冷凍が必要な仕様でないのに
冷凍機と記載されているのは何故か。
アイテックスの空調機の仕様について解説します。

室外機と冷凍機の違い

「恒温恒湿室の空調機の仕様書に冷凍機と記載されているが、冷凍はしないのだから室外機の間違えでは無いか」との問い合わせが良く有ります。
エアコンでは室内機と室外機がセットで販売されており、エアコン業界では圧縮機の組み込まれたユニットを室外機と呼んでおります。エアコン室外機には最初から冷媒が封入されて出荷されており、一般空調の目的以外には使用出来ません。見た目は、エアコン室外機と冷凍機はそっくりの形状です。

エアコンは汎用品で生産台数も多く、毎年のように新型が発表されております。カタログの定価は高く設定されており、これをお客様に見せて半額とか工事費込みで定価等と売り込んでいますが、業者への仕切り価格はとても安く、これでも利益が出ますから恒温恒湿室にパッケージエアコンを流用する業者は多く有ります。

エアコンの室外機は、ごく一部の機種を除き能力の可変が出来ません。したがって、夏季に合わせて能力を選定します。特に小さなお部屋にパッケージエアコンを採用すると、冬季はヒーターと加湿器が最大電力近くで働きますから、消費電力が大きくなり電気料金に悩まされる事になります。
またエアコンはモデルチェンジが多いので、10年も経過すれば補修部品が無くなり、故障すると室内機と室外機をセットで交換する事になります。

一方、冷凍機は生鮮食料品の冷蔵や冷凍に使用されており、故障は致命的な損失に繋がります。この為、冷凍機は非常に壊れにくく設計されており、その分価格も高くなっています。またモデルチェンジも少なく、10年以上前の冷凍機でも部品が購入できます。

弊社の恒温恒湿室・環境試験室には、冷却能力が可変出来るインバータ冷凍機を採用しております。お部屋の容積や熱負荷、室内人員によって、必要な能力を選定しています。夏季の最大発熱を想定して選定しますが、その他の季節で熱負荷が下れば、その運転条件に合わせて能力が必要最小量に低下しますから、とても省エネになります。
また冷凍機は、出荷時には窒素が封入されております。冷媒工事完了後は耐圧試験を行い、真空引きしてから実験目的に応じた蒸発温度の冷媒を充填しております。

恒温恒湿室では着霜防止の為、冷媒はプラスの温度域で蒸発させますから、厳密に言うと冷凍機では無くて冷蔵機になり、エアコン室外機と同じですが冷媒を変えれば-30℃の運転も可能になります。この様な事例から、プラスの蒸発温度であっても弊社では冷凍機と呼んでおります。

下の写真は左側が4.5~10馬力、右側が0.75~2.2kWの冷凍機です。この様に、エアコンの室外機と見た目はほとんど一緒です。

左側が4.5~10馬力、右側が0.75~2.2kWの冷凍機
 
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