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家庭用エアコンを利用した恒温恒湿室

家庭用エアコンを使った恒温恒湿室は実現可能なのか。
エアコンと恒温恒湿室の違いについて解説します。

家庭用エアコンを利用した恒温恒湿室

本格的な恒温恒湿室はかなり高価ですから、必要な時に直ぐ手に入れる事はなかなか出来ません。
自社製品のトラブル原因の解析、あるいは新製品の開発の為に、冬季に夏季の条件を、夏季に冬季の条件を得たい状況は良く有る様です。
現在は何処の事務所や作業場でもエアコンが取付されておりますから、これと家庭用の除湿機と加湿器を組み合わせて、何とか費用をかけず恒温恒湿室にしようと試みる例を良く耳にします。

家庭用の除湿機や加湿器は、ほとんどの機種が能力制御は出来ません。
室内の温湿度条件を見ながら手動でON-OFFして調整しますが、これでは恒温恒湿室とは程遠い制御結果になります。器用な方は湿度調節計を利用して、何とか自動化しようと努力される例も有ります。
はっきり申し上げて、この方法で成功された話は聞いた事が有りません。その理由は、下記が原因です。

エアコンには温度を精密に制御できるものは有りますが、湿度を制御する機能は有りません。エアコンは夏季にお部屋を涼しくする目的で設計されており、温度をほぼ23℃で安定させる事が出来ますが、湿度の制御は出来ません。また、エアコンには18℃以下の設定目盛りは有りません。
これは、この温度以下で運転したり、湿度下げようとすると冷却コイルが凍結してしまうからです。

除湿制御は、空気を一度冷却してから再加熱する事で行います。エアコンは温度を下げる目的ですから、室温は下がりますが相対湿度は下がりません。逆に冷却するだけですから、相対湿度は上昇してしまう例も有ります。夏季に安定した23℃が得られたとしても、湿度は50%迄下がりません。

そこで除湿機を買って来て運転されますが、除湿機は冷却コイルで冷却してから自分の排熱で加熱して除湿しております。これも冷却し過ぎると冷却コイルが凍結してしまうので、大幅に湿度を下げる事は出来ません。エアコンで湿度が下らないからと追加で除湿機を運転しても、除湿機内の冷却器の温度は凍結防止の目的でエアコンと同じ様な温度ですから、除湿機を追加して運転しても電気代が高くなるだけです。
エアコンの冷房運転と除湿機を併用運転しても除湿機は仕事をしませんから、湿度はほとんど下がりません。

冬季は電熱式の加湿器を使用すれば有る程度湿度は上げられますが、超音波加湿器では乾燥を防ぐ程度でなかなか相対湿度は上がりません。霧を吹いているだけですから、加湿器の台数を増やして湿度を上げようとすると蒸発出来ない霧が周囲に付着して、湿度が上がらないのに室内はびしょびしょに濡れてしまいます。
これが、エアコン等の家庭用空調機器を利用して運転しても上手く行かない理由で、費用の無駄になりますからおやめになった方が得策です。

結果的には、どうにもならなくて試験室のレンタルが無いかお探しになり、弊社のレンタル室をご利用いただく例も有ります。ここでお客様は温湿度の重要性に気が付かれて、やはり恒温恒湿室は絶対に必要だと実感されて、見積を請求されます。
レンタル室をご利用になったお客様は、数年後に試験室を購入していただく例が多く有ります。

 
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