DPC(dew point control)方式空調機の特徴
卓越した省エネ技術で地球の未来に貢献
DPC(dew point control)方式空調機の特徴
弊社DPC方式の特徴
1.タフなボディで抜群の耐久性
長期間故障しません。主要部がステンレス製ですから腐食をしないので、10年以上の無故障記録は良く有り、納入後30年を超えた製品が、今でも稼動している実例があります。
空調機を構成する主要な部品は、全て国内の一流メーカーの市販の汎用品だけです。一部の大手メーカー製品に見られる様な輸入品や、高価で特殊な部品は一切使用しておりません。
部品交換も全て1方向から一人で容易に行えます。基本的な構造は非常に単純で、部品交換も簡単なので、故障時には部品を送り、設備の御担当、あるいは地元の協力業者に依頼して、電話の指示で簡単に修理する事も可能です。修理が早く、修理費も非常に安くて済みます。
2.自動洗浄機能でメンテナンスフリーとも言える空調機
自働排水置換方式の採用によりメンテナンスフリーに近い空調機で、納入後5年以上も修理依頼が来ない物件がほとんどです、あまり故障しないので、心配になって点検依頼も来ますが、全く問題無く運転しております。また、21年間無故障で稼動していた例も2件有ります。この無故障記録は、他の空調方式ではとても考えられない事だと思います。
これは、無理の無い設計をしている事と、エアコンよりも信頼性の高い、冷凍機を使用している事、また、トラブルメーカーである加湿器が存在しない事等が関係しております。
3.環境に優しい省エネ運転
DPC方式は、夏季は10℃程度の水で室内の空気を直接冷却除湿しています。過冷却しないので、再加熱する電力量が少なく、とても省エネな運転を行います。
夏季は冷却水が空気中の水分を奪って除湿しますので、水槽の水は自然に増加します。夏季は加湿する為の水道水さえ消費しません。
冬期は乾燥した室内の空気が冷却水と直接触れ合い、冷却水が蒸発して自然加湿を行います。
夏季のオーバーフローと、空調機内部の定時洗浄以外には、ドレン水も発生しません。
必要最小の冷却除湿と、冬季は必要最小の加湿を行って、安定した湿度を得られています。
DPC方式は、他に類を見ない究極の省エネ装置です。精度も参考に添付した記録チャートのように、他に類を見ない、驚愕と言われる、非常に安定した温湿度を得る事ができます。
4.ハイレスポンスで快適性を重視した制御
自動可変風速が標準装備されております。温度の移行時には風速を上げて移行速度を速め、 周囲の壁の温度をより早くなじませる事で、より早く移行させて、温度分布を高めます。
温度が設定付近に到達すると、風速を落として、低騒音低風速の状態に変化します。
この設定温湿度に到達した後の風速は、お客様が簡単に、自由に変更する事が出来ます。
試験室の中に風よけの衝立が有ったり、吹出口を塞いでいる試験室も見受けますが、弊社の装置は、風を嫌う実験内容など、目的によって最適な風速に変更して運転する事が出来ます。
5.無駄なく高精度な冷却制御
冷凍機は冷却能力を自動可変する比例制御です。冷却能力は運転状況に応じて自動的に変化します。移行時は最大能力で運転し、移行速度を速めます。到達後は能力を精密に制御していますから、同業者からも、驚愕と言われる程の、非常に高い温湿度の安定性を得ております。
参考に添付した記録チャートは、弊社に有るかなり古い標準品のレンタル設備の物ですが、温度±0.01℃、湿度±0.02%の高精度を得ています。
従来の露点散水方式(他社類似方式)の空調機は、湿度の安定性は冷却水の温度に依存します。湿度の安定性は、水の比熱に頼って、冷凍機はON-OFF制御させております。この方法でも、湿度は±1.5%程度になり、湿度JIS2級の精度の範囲には、ぎりぎり入ります。
弊社のDPC方式の空調機は、長年の経験からこれを改良したもので、室内の湿度を検出し、冷凍機を連続比例制御する事により、冷却水温度を微妙に調整しております。
実際に納入した空調機の変動幅は、いずれも温度±0.05℃以内で、湿度も±0.1%以内と、従来の装置では考えられない様な高精度で、高い安定度を得る事ができます。
しかも、この方式は、どのメーカーの空調方式よりも省エネです。
6.オリジナルの回転散水装置
空調機内部の散水装置はプロペラで、回転しながら均一に散水しており、高い熱交換率を誇ります。クーリングタワーの散水ヘッドの様に細いノズルを使用しておりませんので、絶対に目詰まりが発生しません。また、散水ヘッドはとても軽く、水ベアリング方式で金属同士の接触もありません。完全に水に浮いた状態で、風と水流によって自然に回転する構造です。
空気抵抗は極めて少なく、故障して停止する事はありません。また、散水状態は、観測窓から目視ができます。
他社の類似製品では、均一に散水できない為に、冷却水に触れない充填材に、空気中の汚れが蓄積してカビが発生します。定期的に充填剤を交換しないと、室内がカビ臭くなります。
必ず充填剤の定期交換が必要になりますから、定期的に高額な費用がかかる事になります。
DPC方式は、均一な散水と冷却水の自動置換により、充填剤に汚れが蓄積しません。定期的な充填剤の交換も必要ありません。この点でも、ほとんどメンテナンスフリーなのです。
この散水装置は、ノズルが詰まって回転が停止しているクーリングタワーの散水装置や、スクラバー装置等、目詰まりして、上手く全体に散水していない装置を見て、実験を繰り返して完成させた、弊社のオリジナル製品です。
7.空気中の炭酸ガス吸収と塵埃除去作用
DPC方式の原形はかなり古い技術です。学術的にはエアウオッシャー方式と呼ばれます。
同じ原理の物では、循環式加湿器や、スクラバー等の水フィルター等があります。
スクラバーは化学プラント等で除害装置として有毒ガスの吸収等に使用されております。
空調機に吸い込まれた塵埃は冷水シャワーに捕われ、汚れた冷却水は、自動置換により排出されます。冷水シャワーにより塵埃が除去され、清潔で健康的な室内環境を保ちます。
自動置換される冷却水は炭酸ガス (CO2) を吸収しますので、DPC方式は、入室により一時的に上昇した炭酸ガスの濃度も速やかに下降させます。
8.脱臭性能
DPC方式を動物飼育室に使用しますと、室内の臭気が想像されている以上に減少します。
アンモニア、アミン、メルカプタン等、動物の排泄物等から発生する臭気は、冷水シャワーに接触して水中に溶け込みます。汚れた冷却循環水は自働的に水道水と置換されますので、他の空調方式に比べると、室内の動物臭気が極端に少なくなります。
臭いが少ないので、当初200匹の予定であったマウスを当初の計画より次々に増やし続け、今では1室に3000匹ものマウスを飼育している研究室があります。狭い実験室ですから、あらためてその効果に驚いております。一般の空調方式では絶対に無理な飼育数です。
冷却水の水温が低く、循環しながら空気と接触しますので、雑菌も繁殖しにくく、水道水と置換させて濃縮も防止しておりますから、恒温恒湿室内部を常にクリーンな環境に保ちます。
水道水との置換も、室内の湿度に影響が出ないように自動制御で行っております。
DPC方式は、井戸水を使用して運転する事も可能です。井戸水は硬度が高く、そのままでは加湿器は使用出来ませんが、DPC方式は冷水加湿なので、ミネラル分の固形化が起きません。井戸水でも、何年間も無故障で稼働している実績があります。
加湿器方式では、加湿器の内部にミネラル分が固形化して蓄積しますから、井戸水の使用には無理があります。DPC方式には加湿器がありませんので、全く問題ありません。
9.自然界と同じマイナスイオンを発生
空調機内部で冷水を人工滝として散水しているので、空気のビタミンと呼ばれるマイナスイオンが発生して、室内に極めて安定したレベルで存在します。マイナスイオン量を測定してみますと、そのレベルは郊外の公園から林の中に近い1200から1500個/ccのレベルになりました。
従来から滝や噴水の周囲にはマイナスイオンが多いと言われ、レナード効果と呼ばれて、精神安定の作用が有ると言われております。
空調装置の中にある滝から、この自然界と同じ粒形が小さい1nm程度のマイナスイオンが発生しているので、イオンバランスを良好に保つ事が出来ます。
滝等で自然発生したマイナスイオンは電子的に発生させた粒形の大きいイオンと異なり、比較的長時間存在すると言われ、室内のどの場所でも安定したレベルを保ちます。
マイナスイオンは、血管の拡張、自律神経の安定化、疲労の回復、活性酸素の中和、痛みの緩和等、何らかのリラクゼーション効果があるらしいと言う事が報告されております。
不安定な物質なので、すぐに消滅してしまう事。空気中の臭いの分子や小さな塵埃に取り付いて空気浄化させる事等も、各種機関の実験の結果で報告されてはおります。
DPC方式の空調機は、過度のマイナスイオンを発生させず、自然界の滝と同じ状態で、イオンバランスの良い環境を作り出します。マイナスイオンのブームは自然に消えてしまい、実際の効果は、あまりにもソフト過ぎてよくわからないのも事実ですが、少なくとも人体に悪い影響が出たと言う事例は無いようです。
他の空調方式との比較
恒温恒湿室の空調方式としては、冷房専用のパッケージエアコンを流用して、電気ヒーター、と、市販の加湿器等を組み合わせたパターンが1番多く見受けられます。
この方式は簡単なので施工費が安く、現場でも良く見受けますが、下記の欠点があります。
1.エアコンと冷凍機の耐久性の比較
冷房専用エアコンは夏季に冷房だけを行う目的で設計されております。これを通年で冬期にも運転すれば、当然冬は外気温度が低いので運転にも無理があり、寿命が短くなります。
業務用エアコンはカタログの定価がとても高く設定されております。しかし実際には業者の仕入価格はかなり安いので大幅な値引きが出来ます。価格表を見せられて、交渉したら半額になったり、工事込みで定価等と言われると、これはかなり安く購入できた思っても、実際にはまだ業者の利益が出るのが実情です。
また、エアコンは数年でモデルチェンジが有り、古くなると、補修部品が手に入らなくなり、故障すると、本体の入替えが必要になります。
(この方式の恒温恒湿室では、納入後に修理に来ない業者がいるとの苦情をよく聞きます。)
冷凍機は、生鮮食料品や、食肉等の保存に使用されますので、故障すると大きな損害が発生します。この為、冷凍機の信頼性は、エアコンに比べると格段の差があります。
価格も高く、エアコンと比較すると流通する数が少ないので、割引率も悪くなります。
エアコンと冷房能力は同じでも、仕入価格は冷凍機の方がはるかに高いので、一般の空調業者は、恒温恒湿室に、あまり冷凍機を使用しません。利益率が悪くなるからです。
20年以上無故障の冷凍機は良くありますが、エアコンを通年使用しますと、10年程度でガタが来て、補修部品も無くなります。冷凍機とエアコンでは、設計思想が全く異なる為です。
冷凍機はめったにモデルチェンジしませんが、エアコンは数年毎に新型が発売になります。
冷凍機は古くても補修部品が手に入り、部品交換して修理が可能です。エアコンは、古い機種は補修部品が無くなりますから、エアコンを丸ごと交換するのが一般的です。
2.エアコン用の加湿器の欠点
エアコンを恒温恒湿として空調に利用する場合は、市販の加湿器を組み合わせて使用しますが、一般的な空調では、加湿器は空気の乾燥する冬だけ使用するものです。
価格が安いので、エアコン用の加湿器を恒温恒湿用として、年間を通して使用している例は、よく見受けられます。
エアコン用の加湿器を通年で使用しますと、1年程度の使用期間で、水中の不純物が固形化して蓄積し、ヒーターが漏電したり、焼き切れたりします。
どんな形式の加湿器であっても、蒸気発生方式では、蒸発できない不純物(カルシウム、マグネシウム等)がヒーターに付着して、熱交換を阻害します。(これはスケールと呼ばれます。)
加湿器を長時間運転すれば、スケールが蓄積して、ヒーターにピンホールが開いて、漏電したり、ヒーターが焼損したりする事故は必ず発生します。
蒸気発生方式の加湿器では、どの機種でも同じて、ノンスケール等と記載されていても、通年で使用すれば、定期的なオーバーホールが絶対に必要になります。定期整備しなければ、加湿器は必ず故障して、これには高額な修理費がかかります。
また、付着するスケールはかなり硬い為、取り除くのにも大変手間がかかります。定期整備は、このスケールを取り除くだけなのですが、技術者派遣ですから、高額な技術料と、出張の交通費、遠方では、宿泊費等がかかります。部品交換があると、さらに高額になります。
3.超音波式加湿器の欠点
超音波加湿器を利用している機種もありますが、超音波加湿器は単に振動式の霧吹きですので、霧と同時にカルシウムやマグネシウム等の不純物を叩き出してしまいます。超音波加湿器を使用している恒温恒湿室では、この不純物が室内の什器に白い粉状になってこびり付き、ザラザラになるトラブルが発生します。この粉も非常に硬く、強固にこびり付くので、取り除くのは大変な作業です。静電気が発生する所には、特に激しく付着しますが、実際問題として、これを取り除くのは不可能に近い作業です。
超音波加湿器は湿度の制御性が悪く、吹出口は霧の状態ですので霧が目に見えます。室内の什器にこの霧が直接当ると濡れてしまいます。
霧が室内で蒸発すれば気化熱によって空気の温度が低下しますから、当然室内の温湿度の分布は最悪の状態になります。絶対に避けるべき方式です。
省エネ性をうたっておりますが、加湿器本体はただの霧吹きですから確かに省エネです。
但し、この霧を気化させると気化熱で室温が低下しますから、室温を保持する為には、その分加熱ヒーターの電力を消費します。全体の電力で考えると、少しも省エネにはなりません。
加湿器から熱い蒸気を直接吹き出すか、室内に冷たい霧を吹き出して、室内で蒸発させて蒸気に変えるかの差なのです。蒸発させる為の熱エネルギーは同じです。
超音波加湿器の使用をしばらく中止すると、加湿器内部に残された水には雑菌が繁殖します。そのまま運転を再開すると、繁殖した雑菌を霧にしてばら撒きますので、健康被害が出ます。
このタイプでは、ダクト内部にカビが生えている例はよくあり、全く恐ろしい話です。
精度を要求される恒温恒湿室に、超音波加湿器を採用する様な計画を持ち出してくる業者は、経験不足で、問題外と言えます。弊社では経験上から、絶対にお薦め致しません。
これらの空調方式は、設置コストは安いのですが、その後、まともに働いている現場はほとんどありません。加湿器の保守費が高く付きますので、修理をあきらめて、温度を制御するだけの恒温室として使用されているお客様が多いのが実情です。
ちなみに超音波の振動素子の寿命は3000時間です。(連続で125日)恒温恒湿室の納入時に、こんな話しをする業者はいないと思いますので、特にご注意いただきたいと思います
4.純水器の採用
水を蒸発させても、不純物は蒸発しませんので、必ず加湿器内に蓄積します。これをスケールと呼んでいますが、蓄積すれば、温度ヒューズ溶断や、漏電等、必ずトラブルになります。
加湿器のスケール問題は、純水器を使用すれば防止する事ができます。空調機のメーカーに、加湿器の故障が多いとクレームを言うと、純水器を薦められます。但し、純水器は、処理できる水量が意外に少なく、10ℓのタンクのタイプで、1900ℓ程度です。実際に使用すると、1ヵ月程度でイオン交換樹脂が飽和してしまいます。飽和した純水器はメーカーに本体を返却して再生する必要があります。この間、予備品も必要になりますし、数ヶ月毎に交換が必要になりますので、この為の経費がかなり高く付きます。
純水器を取付けする時に、高い保守費がかかる事は、説明されません。
導入してから、慌てる事になります。
これは、単に水道水中のミネラル分が、加湿器内に溜まるか、純水器の中に溜まるかの差であって、解決方法ではありません。
いずれの方法にしても、加湿器の保守には、とても高い費用がかかります。納入前に、加湿器は高い保守経費がかかります。と説明をされる事は、まずありません。あまり保守費がかかるので、加湿器を停止させて、恒温恒湿室を、ただの恒温室として使用している例は、沢山見てきております。このような設備から、最近、弊社のDPC方式に入れ替えられたお客様は、消費電力が極端に少なくなるだけでなく、加湿器が無いので、メンテナンス費用が全く不要になる事にも、大変驚かれています。
5.DPC空調機の除湿と加湿
DPC方式は、夏季は、空気中の水分を精密に除湿するだけで、高い精度の湿度を得ています。
除湿すると、水槽内の冷却水は、自然に増加して、オーバーフローされます。
お客様は驚かれるのですが、DPC方式は、夏季には1滴の水道水も消費しません。
DPC方式は、冬季になると、冷却水と空気を接触させて自然加湿(気化式)を行います。
不純物は蒸発しないのでクリーンな加湿を行います。また、必要以上に蒸発させないので、自動洗浄時以外では、ドレン水も発生しません。一般的な空調方式では、冬季もポタポタと空調機からドレンが流れ出ていますが、あれは加湿した水が凝縮して発生した蒸留水です。
とても勿体ない話で、従来の空調方式が、いかに無駄が多い制御であるか判ります。
蒸発しない不純物は水槽内に残りますが、自動置換しておりますので、汚れた冷却水は自動的に排出されます。加湿器と異なり、不純物が固形化するほどの濃度にはなりません。
置換回数を増やせば、井戸水を使用しても、固形のスケールが付着したり、蓄積したりする事がほとんどありません。また、長期間の運転休止状態でも、少量の冷却水の置換を行っており、運転休止中も、水質の劣化を防止しています。
それでも、何年か運転すれば、空調機の内部は汚れて来ます。そこで弊社のDPC方式の空調機には、下の写真の様な、洗浄キットが、標準装備されております。左は水槽内の清掃、右は、散水部分の洗浄中の写真です。弊社DPC方式の空調機は、この様に、お客様ご自身でも、簡単に空調機の内部を洗浄する事が出来ます。
DPC方式は、空気調和機の中に、トラブルの多い加湿器を使用していないから故障が少ない。これが、DPC方式の故障が非常に少ない最大の理由になっております。
恒温恒湿室や動物飼育室のように常温常湿で連続運転する条件では、ほかのどんな空調方式と比較しても、故障が少なく、消費電力が少ないので、DPC方式をお勧めしております。
DPC方式はほとんどの場合、常温常湿で使用されますが、高温多湿の運転も可能です。
高温多湿の場合は、水道水冷却で、冷凍機が不要な方式も有ります。
DPC方式は、水槽や空調機がステンレス製なので、他社のエアコン方式等と比較しますと、価格的には原価と製造コストが高くなります。
他社と価格を合わせる為に、努力はしておりますが、どうしても販売価格は、エアコン方式などよりは、少し高くなります。
お客様は、購入価格の安さが最優先ですから、導入後の運転経費の安さ、故障の少なさ等は、あまり比較対象にされません。実際には、他社製品との価格差は、1年間の運転経費の差で、楽に回収が出来ています。その後の運転経費を考えると、絶対に得策になります。
恒温恒湿室の導入をお考えの場合は、ぜひ、DPC方式をご検討いただきたいと思います
各種の空調制御方式について
1.PID制御方式
温湿度の制御精度を上げようとすれば、希望する温湿度より室内の温湿度が低くなるように、連続で冷却除湿を行い、一方でヒーターで加熱して設定点でバランスを取りますが、この時に除湿してしまうので、加湿も必要になります。これは従来からの空調方式で、PID方式と呼ばれています。( Proportion:比例、Integrate:積分、Differential:微分の略称です。)
PID方式の熱計算は、夏季の外気条件と室内で発生する熱を最大の状態として考慮し、さらに安全率を掛けています。この結果、冬季でも、室内の熱負荷か少なくても、年間を通して常に同じ量の冷却除湿を行っています。冬季等、熱負荷が少ない季節になると、冷却過剰になりますから、再熱量も再加湿量も増加します。
PID方式のランニングコストが高く、特に冬季に非常に高くなる理由がここにあります。
恒温恒湿室として長期間連続で運転する場合は、かなりエネルギーロスが多いので、一般的なPID方式は、本当は、昼夜連続運転には適しません。
冷凍機が大きくなれば、バランスさせるヒーターも加湿器も大きくなり、設備電力はさらに大きくなります。また、一般的なエアコンには冷房能力を制御する機能が無いので、安定した温湿度を得る為には、大きな電気ヒーターでバランスさせるしか方法がありません。
この方式の設備は、市販品の組み合わせで、簡単ですから、空調機はとても安く作れます。
価格も安く、さらに値引き幅も大きいので、これは得だとお客様は飛びついてしまうのですが、その後の、大きな消費電力による高い電気料金の支払いのツケは、お客様に回ります。
このようなロスの大きいPID方式は、すでに過去の遺物で、地球環境にも優しくありません。
空調機だけ弊社のDPC方式に入れ替えたお客様は、以前は電気料金が高いので夜は運転を停止させられていたが、入れ替えた後は電気料金が極端に下がったので、昼夜運転しているが、それでも前の装置よりも、電気料金がはるかに安くなったと、驚かれています。
恒温恒湿室は、昼夜連続運転が基本です。停止させると室内の湿度が上がり、測定データーが変わってしまいます。
2.三位置制御方式
エアコンやヒーター、加湿器等をON-OFFさせて温湿度の制御をさせれば省エネになりますが、この方法では、±1℃の条件をクリアする事は難しく、無理をして短時間に冷凍機のON-OFFを繰り返すと、コンプレッサーには大きな起動電流が何回も流れるので、モーターが焼けてしまいます。現在は、ほとんどこの方式は採用されておりません。
特に、相対湿度は、エアコンをON-OFF制御すると特に大きく変動します。エアコンを運転するとすぐに湿度が下がり、停止するとすぐに湿度上昇するので、激しく相対湿度が変動します。この現象は、エアコンの運転により除湿されて濡れた冷却コイルが、停止と同時に加湿器に変身するからです。夏季の運転で換気量が多い場合ですと、数分で30%も上昇する場合がありますから、室内に結露が発生したり、室内にある紙がフニャフニャになって、紙に鉛筆で文字が書けない等の現象が発生します。
この三位置方式で温湿度が保証できるのは、最高で、温度±2℃、湿度±20%程度です。
( 但し、部屋が広く、換気が少ない場合には外乱が少ないので安定します。)
3.弊社DPC方式の冷凍機制御
DPC方式は冷凍機の能力を比例制御で連続可変しております。冷却負荷は常に10℃程度の水ですので負荷も安定しております。
通常の運転状態では、冷凍機は連続で低速運転をしておりますので、無理がかかりません。これもDPC装置で得られる温湿度が安定しており、故障が少ない理由になります。
空調機の冷却能力は冷却水の散水流量をバルブ調整すれば変化します。冷却量を絞ると、加熱する必要性も少なくなりますから、比例してヒーターの使用電力も下がります。
DPC方式は、空調する部屋の広さに合わせて、必要最小限に冷却能力を調整できるのです。小さな試験室ならさらに消費電力が下げられ、驚くほど省エネな運転を行います。
1坪から5坪程度迄は、恒温恒湿室の広さが変わっても、空調機の大きさは変わりません。
これは能力が可変できるからで、設置後に恒温恒湿室の広さを変更する場合は、送風機等の一部の部品を交換すれば、そのままで大きな部屋に改造が可能です。
恒温恒湿室本体もプレハブ構造ですから、移設、縮小、増築等も簡単に行う事が可能です。
近年は、他社の恒温恒湿室をご利用お客様でも、空調機が古くなると、故障が増えるので、修理の見積もりが高額になり、お部屋はそのままで、空調設備だけ交換する例も多く有ります。この場合は、以前の装置と比較ができますから、空調機交換後の大幅な性能の向上と、極端な省エネ性には、皆様が大変驚かれております。
4.DPC空調機の湿度制御の特徴
他社の類似方式である露点散水方式では、水温センサで直接冷却水温度を検出するか、室内の湿度を検出して、冷凍機をON-OFFさせていますから、得られる湿度は、±1% ~ 1.5%程度の変動が存在します。
古い露点散水方式の場合は、希望する相対湿度の設定は換算表を用いて水温調節計で行い、得られた湿度を湿度指示計、又は、記録計等で間接的にモニターする事になります。
空気調和機の効率は100%ではありませんので、季節が変わると同一湿度を得る水温が変化します。外気の温湿度により室内の湿度が影響されるので、季節ごとに水温調節計を補正する必要があります。湿度は比較的安定しますが、水温を微調整して得られた湿度を確認する方法ですから、温湿度を変更する必要があると、とても面倒で、わかりにくい制御です。
最近の、湿度を直接設定できる方式では、湿度の変動幅が大きくなり、引っ張られて、温度の安定度も悪くなっています。実質、温度 ±0.3℃ / 湿度 ±1.5%程度になります。
この場合、JIS1級といっても、精度は、かなりぎりぎりで得られている事になります。
弊社のDPC方式は、湿度直読の制御ですから、希望する湿度は直接設定できます。
温湿度の安定度は、実際に納入した機器の全てが、±0.05℃/±0.1%以上の高精度を得ております。
( 弊社レンタル室に有る実験装置では、±0.01℃ / ±0.02%の高精度が出ております。)
5.温湿度制御の精度の確認
これは、恒温恒湿室の調整中の写真です。
使用している気象庁検定付き温湿度測定器は、メーカーで定期的に校正している物です。
納入時、定期点検時には、この測定器で正確な温湿度を測定し、誤差が発生している場合は、この指示に合わせて、温度/湿度指示調節計の補正を行っております。
6.DPC方式空調機の湿度制御の制御結果
下の記録チヤートのコピーは、弊社のDPC方式恒温恒湿室で、実際の運転状況を温湿度記録計で記録した物です。温度の幅を +10℃~+30℃ に拡大して記録しており、中心が20℃です。
湿度側は、30~80%に拡大しており、中心は55%です。
赤い線が温度で、青い線が湿度を示しています。
チャートの下が、測定開始時です。20℃/65%RHの旧JISの条件で運転させて、安定してから、23℃/50%RHの新JISの条件に変更しております。
運転条件を変更しても、オーバーシュートしないで、すんなり移行するのもこの方式の特徴です。
湿度の下降が遅いのは、比熱の大きな冷却水で除湿している為で、水温が低下しないと湿度は下がりません。逆に、比熱の高い水で、非常に高い安定度の湿度が得られる事を意味します。
まるで、定規で引いたかの様に真っ直ぐに安定していることがおわかり頂けると思います。
この図は、生の記録紙をイメージスキャナで読み込んで、サイズ調整しただけの物です。
当然ですが、疑似信号を入れたり、画像編集をしたりと言うことは一切しておりません。
(但し説明用のコメントを除きます)
「疑似信号じゃないのか?」という声も出るほどですが、これがDPC空調機の実力です。
DPC方式の欠点
1.温湿度の移行が遅い
水槽に冷却水があり、この水の温度が変わらないと、室内の湿度は絶対に変化しません。
これは恒温恒湿室として非常に安定性が高く、省エネである特徴の半面の、逆の作用です。
温湿度の移行は、他の空調方式よりどうしても時間がかかります。恒温恒湿室として、常に一定の温湿度で運転する場合は、安定度が高く、非常に有利ですが、湿度を頻繁に変化させる実験には適しません。この場合は、弊社のCSC方式をお薦めしております。
弊社の問題改善方法
冷凍機の連続能力可変制御と、比熱の大きな冷却水の削減、回転式散水装置による均一な散水、自動可変風速等の相乗効果で、他社の類似空調方式に比べれば、格段に早く安定します。
2.空調機が大きくて重い
空調機の内部に、90ℓ程度の循環冷却水の水槽がある為で、エアコン方式等に比べると水が有る分、大きくて重いのは、やむを得ない事情です。総重量は、350kg程度で、エアコン方式の2倍程度の重量が有ります。
弊社の問題改善内容
大量の水を使用し、水の比熱に頼っていた従来の冷凍機ON-OFF制御から、連続比例制御に移行した結果と、プロペラ散水の効率化により、水量を減らす事が可能になり、空調機の設計も、特に軽量化に工夫しておりますので、他社の類似方式より、かなり軽くなっています。
また、メンテナンスは1方向からだけで可能ですので、狭い設置場所でも対応が可能です。
3.大きな熱負荷に対応できない
10℃程度の冷却水で室内の空気を冷やす関係で、あまり室内の熱負荷が大きい場合や、夏季の換気量が多い場合は、冷却除湿不足になり、室内の温湿度が上昇する場合が有ります。
弊社の問題改善内容
この種の空調機の最大の欠点ですが、独自の回転式散水装置により、他社の類似の空調機よりも、はるかに熱交換効率が高いので、冷却不足の問題は、かなり改善されております。
弊社の装置の散水状況は、点検窓から目視する事が可能で、最良の状態に調整が出来ます。
熱負荷が特に大きい場合には、一般的な冷却コイルを使用する方法で、必要能力に合わせて大きな冷凍機を選択出来る、弊社のCSC方式をお薦めしています。
4.低温低湿運転が出来ない
水温を0℃以下にすると凍結するので、冷却水の温度は+5℃付近が事実上の限界です。
この為に、温度20℃以下で相対湿度を40%以下にする事は、冷却水が凍結してしまうので、かなり困難になります。低湿度では、弊社CSC方式の方が、はるかに有利になります。
逆に高温多湿運転にはDPC方式でも応用でき、水道水で冷却する方法を採用すると、冷凍機も加湿器も不要になります。この方式は、故障の少ない究極の省エネ装置になります。
加湿器なしで高い精度の湿度が求められるしくみ
DPC方式の空調機は、なぜ加湿器が無いのに湿度の制御ができるのでしょうか?
JIS規格やISO規格の恒温恒湿室の標準値である、温度23℃、相対湿度50%で説明します。
下図は、湿り空気線図と呼ばれる、空気の温度や湿度等の関わりを示す線図(グラフ)です。
縦軸が乾球温度、斜めの曲線が相対湿度を示します。
求めたい温度23℃を赤、求めたい相対湿度50%を青でマーキングしてあります。
この2線が交わるポイントが、23℃、50%RHの地点です。
この地点から、真っ直ぐ緑線を左に移動してぶつかった地点が、この空気の露点と呼ばれ、その温度は約12℃です。この露点の相対湿度は100%で、もうこれ以上、空気中に水分が溶け込めない限界の状態を示します。
DPC空調機は、露点温度に冷却された水を散水させ、循環する空気と大量に接触させる事で、空調機の内部に露点状態(相対湿度100%)に近い雰囲気の空気を作ります。
この空気を、求めたい温度、23℃になるように、ヒーターを制御して加熱します。温度だけ上昇させると、空気線図上では緑線を右に水平移動する事となり、相対湿度が下がります。
室内の温度が23℃に到達すると、この時に、相対湿度はぴったりと50%になります。
露点温度について
夏季に冷えたビールを冷蔵庫から出すとすぐに表面が濡れますが、これは結露と呼ばれる現象です。ビール瓶が周囲の空気の露点温度以下に冷やされた場合にだけ、ビール瓶の表面に結露が発生しますが、露点温度以上のぬるいビール瓶では絶対に結露は発生しません。
暖かい空気は水分をたくさん含むことが出来ますが、冷たい空気では少ししか水分が入れません。これは夏の空気がじめじめして、冬の空気が乾燥している事でもわかります。この夏の空気が冷たいビール瓶に触れて冷やされると、水分を含んでいる事が出来ずに、瓶の表面に水滴となって現れるのが結露です。ビール瓶の表面に、曇りが見え始めた時の温度が、露点温度と言う事になります。
露点は相対湿度が100%の状態ですが、この空気の温度をヒーターで上げてやると、もっと水分が入れるようになり、この空気の相対湿度が下がる事になります。水温を一定に保ち、必要量の加熱をすれば安定した温湿度が得られます。DPC方式はこの原理を応用しています。
相対湿度と絶対湿度
通常の表現で、23℃で湿度が50%と言うのは、23℃の空気に含まれる最大の水分量(露点)のちょうど半分の水分量が含まれた空気で、相対湿度と呼び、50%RHと表現します。
これに対して、この空気中に含まれる水分の重さを絶対湿度と呼びます。温度が変化しても絶対湿度は変化しませんが、相対湿度は温度が変化すると大きく変動します。
たとえば寒い体育館の片隅でストーブを焚いたとします。ストーブから遠い反対側では温度はほとんど上昇しません。しかしストーブにヤカンを乗せてお湯を沸かしますと、蒸気圧の移動は極めて早く行われるので、蒸気が反対側の冷えたガラス窓に到達すると、あっと言う間に、そこに結露が発生します。
この体育館内の絶対湿度は、水面と考える判りますが、どこでも一定の高さです。どの場所でも、絶体湿度は同じレベルに上昇しています。
ストーブから遠い場所では温度が上がりません。冷たい空気には、蒸気がそれほど溶け込めません。ガラスは冷たいのに、ここの相対湿度だけが高くなるので、ガラス面に結露が発生したのです。
つまり、室内の温度分布が良くないと、相対湿度の分布が悪くなります。温度が一定なら相対湿度は必ず一定になります。湿度だけ分布が悪いと言う現象は、絶対にあり得ません。
実際の湿度制御
空調機には熱交換面積の限界があり、効率が100%にはなりません。冷却水温度は理論値ですから、求めた露点温度より、少し低い温度にしないと湿度条件が出せません。
他社の露点散水方式は、独自の換算表から、希望する湿度を得る為の露点温度を求め、水温調節計を露点温度に設定します。得られた相対湿度は、湿度指示計で確認する方法です。
効率が100%ではないので、相対湿度は外気の温湿度によっても影響を受けてしまいます。
厳密に湿度を管理するなら、雨の日や季節の変化で水温を補正する必要があるのです。
露点散水式には、相対湿度を直接湿度調節計で設定して、湿度を制御する方式も有りますが、湿度の変動幅が大きく、湿度に影響されて、温度も変動してしまう欠点があます。
弊社のDPC方式は直接湿度を検出して、冷凍機を比例制御しますので、希望する相対湿度の設定は、湿度調節計で設定するだけです。この方式は外気の影響も受けません。
簡単に極めて安定した温湿度が得られます。
消費電力について
恒温恒湿室として需要の多い、2.7m×3.6m ~ 3.6m×3.6m((3~4坪型程度)で電気量の比較をしますと、概ね、下記の様になります。
パッケージエアコン利用の方式は、小さいお部屋では冷却過多になり、不利になります。
最小の大きさが3.7kWからで、部屋が小さくなっても、これ以下の設備電力にはなりません。例えば、畳一枚の広さでも、同じで、現在この能力より小さなエアコンはありません。
3.7kWのエアコンの冷却量をヒーターでバランスさせるには。最低でも15kW程度のヒーターが必要になります。すると冬でも除湿してしまうので加湿器も大きくなり、設備電力は下記の様になります。冬季は加熱と加湿量が増えるので、さらに消費電力が大きくなります。
- エアコン
- 電力量3.7kW
- 送風機
- 電力量0.75kW
- ヒーター
- 電力量12kW
- 加湿器
- 電力量6kW
- 設備電力合計
- 22.45kW
(65A)
精度を上げる為に、エアコンの冷凍機は連続運転にしています。ヒーターと加湿器が70%働いてバランスしたと仮定すると、消費電力は 約17kWで、電流は、49A 程度になります。
(但し、熱負荷が少なく、外気の温湿度が低いと、その分までヒーターと加湿器が働く事になります。冬季は設計最大値である60A近い電流が流れる事があります。)
DPC方式では、小さなお部屋に合わせた能力の空調機に出来ます。
- 送風機
- 電力量0.3kW
- 備考可変風速方式
- ポンプ
- 電力量0.1kW
- 備考無漏水タイプ
- 冷凍機
- 電力量呼称 0.75kW
- 備考0.37~1.36kW
能力可変 - ヒーター
- 電力量4.5kW
- 備考ステンレス
シーズヒーター
- 設備電力合計
- 6.26kW
(18.3A)
DPCの場合は、冷凍機が定格の50%の運転とすると、ヒーターの稼働率は半分以下になります。これを50%と仮定しても、平均電流は 約11A(約3.8kW) 程度です。
電気料金は、東京電力の低圧電力の例で、1kW当たり、約16円程度で、夏季は17.4円ですから、1kW 16.5円として、1年間連続運転した場合の電気料金は下記の様になります。
エアコン利用方式では、17kWで、1時間当り280円 1年間昼夜連続運転すると245万円
DPC方式は、 1時間当り63円で、1年間昼夜連続運転すると55万円となり、エアコンを利用した方式と比較すると、実績的にも概ね 1/4 程度の電気料金になり、驚かれています。年間では実に150万以上の差が出る事になります。夏期の電気料金は17.4円を超え、今後はさらに値上げされると想定されますから、この消費電力の差は重要なポイントになります。
DPC方式では、お部屋が空調機の能力より小さい場合には、冷却水量とヒーターの最大出力を絞る機能がありますので、お部屋に合わせて、さらに省エネな運転を行う事も可能です。
DPC方式の空調機はオールステンレスの水槽ですから、製造コストがどうしても高くなり、恒温恒湿室の価格競争では、エアコンを利用した他の方式等と比較されますので、かなり不利な状況になります。しかし故障が少なく、保守費がほとんどかかりません。
他社製のエアコン方式の空調機と入替えた場合と、DPC方式を、電気料金の差で比較すると、実績では、1/4以下になっています。この電気料金差であれば、1年でイニシャルコストの差は回収が可能になります。ぜひ御検討していただきたいと思います。
DPC方式の原型は、露点散水方式で、現在も数社から製造販売されております。原型が同じなら、似たような物だろう、それなら少しでも価格の安い方が良いと、他社を選ばれる例も有ります。
この大きな差は、カタログではわかりません。ホームページの、露点散水方式とはで、DPC方式とは大きな差が有る事を、比較して説明しておりますので、こちらもご参照下さい。
実際に、他社の製品を改造、あるいはDPC方式に入れ替えて、精度が高く、極端に省エネに改造した実績も、ホームページで、省エネに改造した実績資料として公開しております。
信じられないという方は、ぜひ、こちらをご参照下さい。
DPC空調機フロー図
保守点検について
DPC方式はトラブルの多い加湿器が無いので、オーバーホールは不要です。納入後の定期点検も、温湿度を自己管理されている場合は、ほとんど必要ありません。
充填材にカビが発生しないので、定期的な充填剤交換も必要有りません。
空調機内部を洗浄するノズルが標準で付属しておりますから、お客様でも、内部の洗浄が可能で、長期間清潔な状態でご使用いただけます。
冷凍機の設置場所が屋上で、放熱フィンが目詰まりしにくい条件であれば、定期的な清掃点検は、4~5年に1回程度でも、全く問題無く運転を行います。
DPC方式で、経年変化が発生するのは、湿度センサのドリフトだけです。はっきり申し上げて、湿度センサのドリフトには、かなりのバラツキがあります。
市販のデジタル湿度計にもバラツキがありますので、古い物は信頼する事はできません。
温湿度を自己管理される場合は、検定付きのデジタル温湿度が必要ですが、これもドリフトが有りますから、正確には、有効期限の1年毎に校正する必要が有ります。
右の写真のアスマンと呼ばれる水銀温度計は、濡れたガーゼを使用して、湿球換算する測定器ですが、経年変化が有りませんので、長期間ドリフトしません。
(検定の有効期間が記載されておりません。)
温湿度の精度を要求されるのであれば、定期的に信頼できる気象庁検定付のアスマン温湿度計を使用して室内の温湿度を確認し、誤差がある場合は、調節計の指示値を補正する必要があります。
数%の誤差が発生していても、ほとんどの場合は、補正するだけで正常な運転に復帰します。
定期的に交換する部品は全くありません。他社の定期点検で行われているような、汚れた充填材を取り出して交換する必要もありません。完全散水していますので、充填材にカビ等が発生して汚れないからです。
弊社の空調機の内部には、最初から清掃用のノズルとホース、手動洗浄バルブが標準装備されております。お客様がご自身で定期清掃するのにも、特別な道具は必要ありません。
空調機のメンテナンス面のパネルを外して手動排水バルブを開き、水槽の底に溜まった不純物をノズルで洗い流すだけでメンテナンスは完了します。特別な技術も必要ありません。
10年以上メンテナンスしないで稼働している例がほとんどで、21年間無故障で稼働していた実績も2件あるほど、故障の少ない空調機です。
DPC方式は、弊社が従来からある露点散水方式を改良した物で、他社と大幅に性能が異なりますので、あえて、性能の違いを明確にするために、社内でつけた名称です。
他社に、DPC方式と問い合わせされても、何の事だかわかりません。