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相対湿度と絶対湿度

今日は湿度が高くて、蒸し暑いと言った表現が良く使われますが、これは正確に言うと、相対湿度です。一般的に湿度と言う場合は、この相対湿度を示しています。
有る温度の時に、これ以上は水分を含めない状態を100%として、現在の水分の比率を、百分率で示したものが、相対湿度です。
表示が相対湿度で有る事を示す為に、一般的に何%RHと、RHを付けて表現しています。

高い温度の空気には、沢山の水分が入り込めますが、低温になると、あまり水分は入り込めなくなります。同じ相対湿度90%の空気だとしても、温度が違えば、同じ体積の中にある水分の量は、かなり違うのです。

夏季にエアコンを運転すると、エアコンの後ろの排水パイプから、ボタボタと水滴が出て来ます。夏の高温多湿の空気の中には、沢山の水分が低まれておりますが、エアコンで冷やされると、この水分は空気中に入っていられなくなり、水滴として現れるのです。

ポタポタ落ちる水滴はドレンと呼びます。こんなに水が流れ出て来るから、室内の湿度はさぞかし下がっているだろうと思いますが、実は相対湿度は逆に上昇しています。
実は、下がるのは、絶対湿度と呼ばれる湿度だけです。冷やしたままだと、室温が下るので、涼しく感じますが、逆に相対湿度は上昇しているのです。
コンプレッサ式の除湿機は、一度冷やした空気を再加熱して、相対湿度を下げてから吹出させているのです。冷やして水分を落とし、再加熱して初めて、相対湿度が低下するのです。

夏季に冷蔵機から冷えたビール瓶を取り出すと、直ぐに表面が曇り始めて水滴になります。この現象を結露と呼びます。
ビール瓶の表面に接触した空気は冷やされて、湿度が100%になり、それ以上の水分は曇りとして現れ始め、やがて水滴に変化します。瓶の表面が曇るか、曇らないかの境目の温度を、露点温度と呼んでいます。この露点温度の時の相対湿度は100%RHと言う事になります。

冬季は外気の温湿度が低いので、ピール瓶の表面温度がこの時の露点温度より高いと、瓶の表面が濡れなくなります。(但し、暖房して加湿しているお部屋では結露します。)

広いお部屋の片隅で、ストーブを焚くと、温かい空気は天井に上り、冷えると降りて来て、またストーブで加熱されて上昇します。ほとんどの空気がその付近で対流しており、遠くの方には熱は届かず、遠くの方は、いつまでたっても温まりません。

湿度は素早く、全体に広がります。絶対湿度と呼ばれる空気中の水分の比率は、そのお部屋に水を張ると水平になるように、温度が違っても、どの場所でも水分量は一定なのです。
ところが、温度はなかなか均一にはなりません。ストーブの近くは温かいので相対湿度が低下して、ストーブから遠い場所では、温度が低いので、相対湿度は高くなります。
ストーブの上にヤカンを乗せて加湿すると、遠い場所の温度は上がらず、相対湿度だけ上昇します。窓ガラスが外気で冷やされ、その表面が露点温度以下になれば、結露が発生します。

どの場所で測定しても、全く同じ温度であれば、相対湿度は絶対に同じです。湿度分布が悪いと言う人もおりますが、測定場所で湿度が違うのは、温度が違うからです。温度が同じ場所ならば、想定湿度が違うと言う事は、絶対に有りません。
ちなみに、23℃/50%RHの恒温恒湿室で、22℃の場所が有ったとすると、その場所の相対湿度は、54%にもなってしまうのです。これが実は、湿度の分布が悪いと言う原因なのです。

この相対湿度に対して、実際の空調の計算では、絶対湿度と言う言葉が使用されます。また、普通の空気には水分が含まれているので、専門的には湿り空気と呼びます。

絶対湿度には、容積絶対湿度と、重量絶対湿度と言う2種類の表現が有ります。
容積絶対湿度は、湿り空気1㎥中に何gの水分が有るかを示し、単位はg/㎥です。
重量絶対湿度は、乾き空気1kg中に水分がどのくらいあるかを示し、単位はkg/kg DAです。DAはドライエアで、乾き空気を示します。一般的に湿度とは、相対湿度の事を示しており、何%RHと表示されます。絶対湿度で空調している例は有りません。

相対湿度の測定器には、下記の様な種類が有ります。

簡易な毛髪式

低価格ですが精度は低いです。

乾球湿球式

換算表が必要で、最近は見かけません。

一般デジタル式

デジタル表示温湿度表示器
精度は普通です。

最近良く見るおんどとり

少し高額ですが信頼性が高いです。
校正証明書付も有ります。

最後の画像は、アスマンと言う測定器で、原始的ですが、基本は、水銀計を使用した乾湿球計なので、経年変化が有りません。

現在でも、正確な湿度の測定に使用されております。
気象庁検定付きも有ります。
経年変化が無いので、一番信頼できる測定器です。

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