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やさしい技術資料

観測窓と曇り防止

試験室は、特別な理由のない限り、人間同士の衝突を防止する為に、出入口には、必ず窓を取付しております。
部外者に、室内を見せたくないと言う理由で、この窓を曇りガラスにした例も有ります。
また、ブラインド付の窓にして、必要な時だけブラインドを閉じられるようにした例も有りますが、ブラインド付の窓は高価です。
大きめの巻き上げ式の遮光カーテンを窓の上に取付して、これを引き下げると、暗室に出来る仕様も有ります。この他、紫外線防止で、イエローグラスを指定される事も有ります。

最近の建物は空調されておりますので、23℃/50%付近で運転される恒温恒湿室では、1枚のガラスでも、曇る事はほとんど無くなりましたが、空調されていない工場等では、季節によって曇る事が有ります。外気と触れる恒温恒湿室では、2枚のガラスの間に、乾燥空気等を封入したペアーグラスが使用されます。(何故か、ペアガラスと発音する人はおりません。)

また、高温多湿のお部屋や、冷蔵庫の様な低温のお部屋は、過去には曇り防止で、3重のトリプルグラスが使用されておりましたが、加熱していないので、長い間には冷気が伝わり、どうしてもガラス面が曇ってしまう事が有りました。

環境試験室を高温多湿の過酷な条件で運転して、観測窓の内側が曇ると、中が全く見えなくなりますが、実験中に人が中に入って拭く事も出来ませんので、車のワイパーを加工して、外側からハンドルで拭けるような構造にしていた時代も有ります。

ガラスが曇るのは、室内と、室外の温度と湿度の差によって発生します。技術的に説明すると、どちらかのガラス面が、露点温度以下になると曇りが発生します。

一般的には、高温多湿のお部屋では、窓の内側が曇り、低温室では、窓の外側が曇ります。
この時、電気ヒーターを内蔵したペアーグラスを使用して、ガラス面を少し加熱すると、曇は解消します。技術的に言うと、曇るガラス面を、露点温度以上にしてやれば曇りません。

初期の熱線入りガラスは、中に細い熱線が見えていましたが、現在は、フィルムヒーターに進化して、完全に透明です。目視では、全くヒーターが入っている事が判らなくなりました。

フィルムヒーターが付いているのは、ガラスの片方だけです。どちらを室内側に向けるかで、悩む方がおりますが、基本的には、高温多湿室では、お部屋の内側にヒーター面を向けて取付けし、低温室では、外側に向けて取付するのが基本です。

温度を上げたり下げたりする環境試験室では、内側にします。低温時に、外側が曇っても、外側なら、拭き取る事が出来るからです。

フィルムヒーターは、窓のサイズと、運転温湿度、つまり曇りが発生する露点温度によって、必要な電力が変わります。
フィルムヒーターを組込みした窓には、電圧が可変できる電源ユニットがセットになっております。窓が大きくて、過酷な条件では、電圧を少し上げて、ガラス窓の表面温度を高くして、曇りを防止している訳です。

曇り防止のスプレーも有りますが、窓が露点以下になると、理論的には曇りや、結露は防止できません。
この曇り防止は、曇りを水滴にして、何とか内部が見える様にするだけの物で、ガラス面に水滴が発生して、水滴が流れ落ちる事は防止出来ません。

また、曇り防止の一方法として、ガラス面に扇風機の風が直接当たる様にして、曇りを防止する方法が有ります。静止している空気は、ガラス表面で冷やされて、露点以下になると、必ず曇りが発生しますが、動いている空気は冷え難く、曇りや結露は発生し難くなるのです。

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