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用語集(絶対湿度と相対湿度)

専門用語をわかりやすく解説します。

絶対湿度と相対湿度

一般的に湿度と言うと、相対湿度の事を言います。
相対湿度は温度によって大きく変わります。
お部屋の温度分布が悪いと、相対湿度には大きな差が出ます。
温度が低い所は相対湿度が高くなり、温度が高い所は低くなります。
相対湿度の単位は%RHで表現します。

絶対湿度は1㎥の空気の中に含まれる水分の重さで、単位はg/㎥です。
温度分布が悪くても、湿度は水分量ですから、水面と一緒でどの場所でも均一に上昇します。
そのため、どの場所でも絶対湿度は必ず一定になります。

たとえば、大きな体育館等での片隅にストーブを置き、お湯を沸かしたとします。
当然、体育館内の絶対湿度は均一に上昇します。
ストーブの熱の届く範囲では窓ガラスは温まり、曇りませんが、遠い場所では窓ガラスの温度が上がりません。
ここが露点温度以下ならば、ガラス窓は必ず曇ります。
遠い場所でも、絶対湿度は変わりませんが、温度が低いので相対湿度は高くなります。
そしてガラスの表面が露点温度以下であると曇りが発生して、やがて結露します。

試験室に於いては、温度分布が重要で、温度分布が良ければ相対湿度も一定です。
湿度の分布だけが悪くなる事は絶対に有りません。
湿度の分布が悪いから、相対湿度の分布が大きく変わるのです。

たとえば、23℃のお部屋で、温度がわずか1℃でも異なる場所が有ると、その場所の相対湿度は、湿度センサの有る場所とでは5%以上も異なって来ます。
よく恒温恒湿室では、当たり前の様に±1℃/±2%の精度を要求されます。
しかし、温度が±1℃の許容範囲なら、実際の湿度は±5%の幅のずれが発生します。
良く考えると、湿度の要求が±2%なら、温度の精度が±1℃ ではとても無理です。
これは良く有る精度の要求値ですが、あり得ない仕様なのです。
温度の精度を±0.5℃にしても、まだ湿度は±2.5%の幅になります。
本気で湿度±2%以内を要求するなら、温度の精度は±0.1℃ を要求しないと出来ない事になります。

そして温度分布が悪く、たった0.5℃でも中央と温度差が有ると、その場所の湿度は中央と2.5%もずれている事になります。
いかに温度分布が重要で有るか、御理解いただけると思います。

 
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